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ピンクの人
散々うろうろしてやっと見つけたのはまなの方やなくてあのちまいおかっぱの方やった
人通りの多い道の端の花壇に腰かけてキョロキョロと落ち着かない様子であたりを見回しとった
まなの姿が見えんからまな待っとるんやろか?
おかっぱはあたりをきょろきょろしては何かブツブツ呟いて指を折って何かを数えながらうんうんうなずいてる
変なやつ…
でもまながいないならチャンスや
そう思って『ちづちゃん』の背後からそっと近づいた
「ちーづちゃん♥」
「えっ?…あっ、わっ!!ぴ、ぴんくの人…!!」
「ピンクの人?」
「あ、やっ…ちが、くて…あの………な…なんで…」
後ろから小さい『ちづちゃん』にかぶさるように花壇に手を着いて、ちづちゃんの肩越しに顔を出す
ちづちゃんは相当びっくりしたらしく顔を真っ赤にして目をグルグルさせて手をぶんぶん振ってた
………ピンクの人…いやまちがっとらんけど…
ちづちゃんははふはふと息を吐いてなんだか一生懸命今の状況を理解しようとしとる
ちょっとおとなしいフツーって感じの女子やった
………それがなんでよりにもよってまなを…
心の中でため息をつく
そらかわええしエロいし最高やけどそれはオレにとってや…
正直失礼やけどまなはずば抜けてモテるってタイプじゃない…
とにかくそのまま花壇を回ってまだ胸に手をおいとるちづちゃんの隣に座った
まなが帰って来るまで待たせてもらうことにする
そしたら思いがけず口を開いたのはちづちゃんやった
「あ、の…す、杉田くん…なら……の、のみ、もの…を、か…か、買いに…」
「そうなんや?」
「……………?………あ、あの…杉田くんに用事があるんじゃ…」
「んー…別に?」
「………?」
「ちょっとちづちゃんと話してみよかな~って…な?」
「…………!!…」
ちょっとからかってやろうと思って目を見て軽くウインクするとちづちゃんの顔がボボッと赤くなった
そしてそのままオレから目を逸らして頬に手を当てとる
そんな動きや動作は少しだけまなに似とった
「オレも『ちづちゃん』たちとお祭り回りたいなぁ?」
「え…あの…そ、れは…」
ちづちゃんはまなと二人がいいのかあせあせしとる
ちょっとかわいそうやけどオレやってまなとまなの事を好いとるだれかを二人きりにするわけにはいかなかった
ちづちゃんは「えと…えと…」っと一生懸命考え続けとる
でもその答えよりも早くに『本人』が帰ってきた
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