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好きなのはあなただけ

「………おい…なんでお前がいんだよ…」 「あーまな~」 「す、すぎたくん…!!」 まなはペットボトルを二本持って帰って来た ちづちゃんに緑茶を渡しとる そしてその後まなも心底嫌そうな目でこっちをちらっと見た …なんでや… ちづちゃんは学が戻ってきたことにホッとしたのかそれともオレの質問に答えなくてよかったことに安心したのか和やかな様子でこくこくと緑茶を飲んどった その間にまなに強く服を引っ張られて小声で耳打ちされる 「いて!!いてて!!まな服が伸び…」 「……なんでいんだよ…!!…」 「………逆に何でいちゃだめなん?まなのこと心配して来たんやけど?」 「だめっていうか…銀が俺らと一緒だったら変に思われるだろ!!」 周りを気にしながら不機嫌そうにオレに文句を言うまなに少しだけ意地悪したくなる もうすでにまなの文句なんか聞いてない ちづちゃんの方を確認するとちづちゃんはまた一生懸命指を折って何かをカウントしとった …よし…ここ、花壇に隠れてしゃがめば通りの人からは見えんしちづちゃんもこっち見とらんから…ええな… まなはまだ不機嫌そうに文句を言っとる 「……な?だから大丈夫だって…………んぅ!?」 「………全然大丈夫やないやん?」 「なっ…!?」 「隙だらけ」 「ッ~~~~~!!」 花壇の後ろ側にまなを引っ張って唇を擦り合わせるだけみたいに軽くキスをする まさかこんなところでそんな事をされると思ってなかったまなは油断しきってて楽勝やった まなの顔がちづちゃんなんかの比じゃないぐらい真っ赤になる そのまままなの手を握って続けた 「まな手繋いだりするし?しかもオレから走って逃げるし?ショックなんやけど…」 「そ、それは…別に…そんなつもりじゃ…」 「それでも」 「………」 まなは顔を赤らめて黙って地面を見下ろしている キスしただけまなは一気にしどろもどろになっておとなしくなった 「な?まな無防備すぎ」 「……………」 まながちづちゃんがまだこっちの様子に気付いてないことを確認してからちょっと潤んだ目でこっちを見る もう一度キスしたくなるような顔やった 「……で、も…大丈夫、だよ……お、おれ……ぎ…ぎ、ぎ…ん…が……好、き……だ、し…」 「……………」 「だ、から…大丈夫…だよ…」 まなが不意打ちでデレた 途中から目を合わせたまま言うのが恥ずかしくなったのか目を伏せってきゅっと一度オレの手を握り返してから手を放した あーもう今すぐ家に連れて帰りたい…

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