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乱入

気付いたらピンクの人が後ろに立ってた どよどよしてる私にも話しかけてくれて、ウインクしたりして… なんだかドキドキした ちょっとだけみんながカッコいいって言うのがわかった気がする… で、でもなんか目がギラギラしててちょっと怖かった?…かも… ピンクの人は優しかったしいい人だったけど一緒に回ってもいいかって言われたときはちょっとだけ焦った だってそのちょっと前に頑張るって決心したばっかりだったし… まださすがに他の人がいる前で杉田くんに『まだ好きなんです!!』なんて言える度胸と勇気はない あ、でも…杉田くんも私なんかよりお喋り上手なぴんくの人と回る方が楽しいのかな…絶対そうだよね… で、でもでも…きょ、今日だけはがんばろうって決めたんだし… でも…でも……… 結局上手に断ることもできなくてたじたじしてたら杉田くんが帰って来てくれて話が反れてくれた ちょっとだけホッとした ………やっぱりお喋りするのって難しいな… 改めてそう思った でもそれと同時になんだかがんばるぞ!!ってなってた気持ちが風船から空気が抜けるみたいに萎んでいくようで情けない ど…どよどよ、ダメだ…!! な…夏輝ちゃん…!! 反射のように夏輝ちゃんにメールを送る 始めから失敗しちゃったこと、ピンクの人が来て一緒に回りたいって言われたこと、どんどんどよどよしちゃうこと… テンパって支離滅裂な文章ながらも全部書いて送るとすぐに返事が返ってきた 『ちょっと待ってて』 その一言だけだった 忙しいのかな? そう思ったけどそれを考える前にとんとんっと肩をたたかれた 「あの、桜井さん…?」 「えっ!?あっ!!はいっ!!わっ!!!」 「わっ!!」 慌てて振り向くと杉田くんの顔と私の顔が近くて顔が熱くなる 杉田くんもちょっと顔が赤かった なんでだろ? 杉田くんは首の後ろを掻きながら自分の隣に立つピンクの人を指差して口を開いた 「え…っと……それでさこいつも一緒に回りたいらしいんだけど…」 「ちょっと待った!!」 「?」 「?」 「!?」 そこでまた誰かの声が杉田くんの声を遮って入ってきた こ…今度はだれっ…!?

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