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噂の真相

夏輝ちゃんたちのおかげで私はまた杉田くんと二人になれた じ…自分から手握っちゃった…!! 今も私の手は杉田くんの手と繋がれていて手から杉田くんの体温が伝わってくる ドキドキしたけど夏輝ちゃんがせっかく作ってくれたチャンスだから頑張ろうと思ってきゅっと再度杉田くんの手を握る チラッと杉田くんを見ると神妙な面持ちで顔をぶんぶん振ったりしてた も、もしかして…や、やだったかな…す、杉田くん……やっぱりあのピンクの人と回りたかったかな… そ、それとも、私と一緒が嫌とか…手握られて困ってるとか…ど、どどど、どうしよう!! 「…す…杉田くん?」 「え、あ…」 「だ、だいじょう…ぶ?」 「あ、ご…ごめん…大丈夫…」 おそるおそる声を掛けてみた ……や…やっぱりカッコいいな… 思わず顔を覗き込む 黒いつやつやの柔らかそうな髪と吸いこまれそうな目を見つめる でも杉田くんは私と目が合うとすぐにプイッと顔を背けてしまった …!!や、やっぱり嫌がられてるんだ…!! ずーんっと気分が暗くなってどよどよしそうになる で、でもだめだめ!!きょ、今日はがんばるんだ…!!夏輝ちゃんも応援してくれたし… が、がんばれ千鶴!! そして一生懸命頭を回転させた さっきカウントしてたやろうと思ってた事を思いだす えっと…そ、そうだ…!!ま、まだ彼女さんのこと聞けてない…!! ま、まずは…これだ… よ、よし…だ、大丈夫… すぅっと息を吸ってはぁっと吐く だ、大丈夫…大丈夫… 「杉田くんは彼女さんはいるんですか?」…「杉田くんは彼女さんはいるんですか?」… 何度も頭で反復して練習する… よ、よし!! 無意識に手に力が入って杉田くんの手を両手握ってしまった 「杉田くんっ!!」 「えっ!?は、はいっ!?」 思わず大きな声が出てぎて自分でもびっくりした でも一生懸命杉田くんの目を見る がんばれ私!! 「す、すす、す、ぎた…くん、は…か、かの、彼女…さん…いるんですかっ!!」 言った!! やっと気になってた事を質問できた ドキドキするような怖いような聞きたくないようなそんな気分になる 何となく答えはもうわかってるもの… でも杉田くんから返ってきたのは思ってたのと違う答えだった

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