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彼「女」いません!!
「杉田くんっ!!」
「えっ!?は、はいっ!?」
「す、すす、す、ぎた…くん、は…か、かの、彼女…さん…いるんですかっ!!」
突然大きな声で呼ばれて焦った
でも聞かれたのはそんな質問で正直拍子抜けてしまった
へ…?か…カノジョ?かのじょ…って…あの?
目をぱちぱちする
桜井さんは俺の手をぎゅっと握って下を向いて頬を赤らめていた
……うなじも赤い…じゃなくて…
て…てっきりまた告白されるのかと…
急に自分が自意識過剰で恥ずかしくなってくる
ボッと顔も暑くなって桜井さんに握られてる手が汗ばんできた気がして余計に恥ずかしい
こ…告白って…ぎ、銀じゃあるまいし…
「す…すぎたくん…?」
「あ…えっと、彼女…ね…彼女………」
え…えっと…彼女な…彼女…彼女…は…
ぽわっとアレの顔が浮かぶ…
いや…違う…
彼女って言うのは彼「女」だろ…アレは女じゃないし…
じゃあ彼「女」ではないから……
「えっと…いない…かな?」
「ほ、ほんとっ!?」
「えっ?う、うん」
「ほんとのほんとにほんと!?」
「ほ、ほんとのほんとにほんとだよ…彼「女」は…いないよ…?」
「そ、そうなんだ!!」
でもなぜかそう言うと桜井さんはがばっと顔を上げて頬をピンク色に染めて顔を上気させながらそう言った
ぴょんぴょん飛び跳ねそうな勢いだ
再度思い返す
うん…彼女いないよな…こんなこと思い返すのも変だけど…
でも…桜井さんなんか元気になったみたい?で良かったな…?
なんだか今日は桜井さんに避けられてるような気がしてた…何となくだけど…
ずっと俺と目を合わせようとしないし、会話続かないしなんか怖がってるって言うか何かに怯えてるような感じがあった気がしてた
でも今はその感じがしない
桜井さんはニコニコして俺の手より二回りぐらい小さな手で俺の手の先を握って「そっかぁ」っと笑ってる
好きとかそういうのじゃないけどちょっとだけかわいいなと思った
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