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邪魔者

「……ダメだって頬付!!行っちゃダメ!!」 「うっさいねん!!離せ怪力女!!」 「なっ!!あんたが逃げようとするからでしょ!!」 「ふ…二人ともおちついて…」 「うるさい!!」「うっさい!!」 「ヒッ…!!」 オレの腰に腕をまわしてまなのところに行くのを邪魔する女を振りほどこうとする こいつ無駄に力強い…!! さっきオレはこいつらに足止めを食らってせっかく見つけたまなとちづちゃんをまた見失ってしまった って言うか例のちづちゃんに連れて行かれた… すぐに追いかけようとしたんやけどそこでまた邪魔されて…でソレからずっとこんな状態やった… まなはまなで全然抵抗せんとふらーっとついてくし…オレは『まな』と『二人』でお祭りに来たかってん!! するとしつこくオレの邪魔をする女が口を開いた 「あーもう!!ちづは杉田の事好きなんだからそれぐらい気利かせてやってよ!!」 「あいつもうフラれたやん」 「それでもがんばろうとしてるからほっといてって言ってるんでしょ!!」 「オレはがんばられたら困んねん!!」 「はぁ?」 そこでやっとそいつが腕を離した 後ろで見ている男がハラハラしている ここで逃げようとしたらまためんどくさくなりそうやから逃げんって…今は… 「なに?頬付もしかしてちづが好き…」 「頭湧いとんのか」 「でもそう言えばさっきちづにちょっかいかけてたし…」 「やから違うって言うとるやろ」 「もう!!じゃあ何なのよ!!まさか杉田?杉田が好きなの?」 「せや」 「……やめてよ、嘘かホントかわからないから…」 はぁっと呆れたようにそいつがため息を吐く ホントなんやけどなぁ… まぁまなに怒られるし進んでばらす気はないけど… でも良かった…そいつはもうオレが逃げるの諦めたと思ったのか完全に気をぬいとる…今なら… じり…っと足を少し下げる 「ふふっ、案外ホントかもよ?」 「………やめてよリアクションにこまる…」 そしてそいつがよそ見したところでクルッと振り返って一気に走り出した 「……じゃ…オレはまなんとこ行かなあかんから!!」 「あっ!!ちょっと頬付!!」 「またあとでな~」 そのままうまいこと人の一団に阻まれてそいつは追ってこなかった あー…もう無駄に時間食った…まな見つけんと… 少しだけ気が急いた 志波みたいなタイプならともかくそれこそちづちゃんみたいなタイプに好かれるのは純粋な分ホントたちが悪い… 一生懸命純粋に告白してくるから真剣に返事せなあかんしまなはそう言うの律儀やからきっちりするやろし… 別にちづちゃん悪いとか言うてるんやないけどな…? できればオレかて穏便に事を済ませたい やからちづちゃんが告白して、まなが振って、どっちもあんまりいいとは言えない思いをする前にそれを阻止したかった やから急がんと… 少しだけ足を速めた

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