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天然たらし
ど…どうしよう…
目の前のちづちゃんは顔を両手で覆ったまま動かない
「あ…ぅ…」
何か言ってあげた方がいいんだろうけど俺はこういう時に気が利くタイプじゃなかった
しどろもどろになって言葉が出てこない
「あ、あの…さくらいさ…」
「ひぇ…!!ご、ごめんなさい!!」
何とか声を掛けたら謝られたし…
桜井さんは指の隙間から涙がいっぱい溜まった目でこっちを見ている
でも目が合うとすぐにぴゃっと隠れてしまった
「ご、ごめんなさい…わ、わたし…なんてことを…ご、ごめ…」
「えっ、やっ…あの…」
「き…気持ち悪かったよね…?そ、その…私なんかとき…き、き、ききき…き、す…なんて……し…しかもその…お、おっぱ…い…ちっちゃくて……ご…ごめ、んなさぃ…」
「あ、いや…ぅ…」
頭がグルグルしてきた…
でも桜井さんは悪くない
事故だし…それにどっちかって言ったら急に止った俺が悪い…
でもそれをうまく言おうと思っても何から言えばいいのかまとまらなくてあうあうとしか言えなかった
でもなんか言わないとって気持ちが急いて余計に頭がこんがらがる
「え、と…その…じ、じこ…だった、し…その…気にしないで…」
「で…でも…わ、私じゃなくて…杉田くんが…」
「べ…べつに俺はその…いや…とかきもち、わるい…とか、じゃ……なかった、から…だ、大丈夫…で…えっと…」
「…え…?」
「え?」
思わず顔を上げると顔を覆ってた手をやっとどけた桜井さんと目が合った
「い…いやじゃ…なかったの……?」
「え…あ…う、うん…?」
ビックリした顔だった桜井さんの顔がふにゃぁっと崩れてぽぽぽぽぽっとほっぺたがピンク色に染まっていく
な…なんでだ…!?お、俺変な事言ったか…!?
女子との交流が今までほとんどなかったせいで自分の何がダメだったのかが良くわからない
思ってた事をそのまま行ったつもりだったんだけどそれがダメだったんだろうか…
桜井さんはまた顔を手で覆ってしまった今度は耳まで真っ赤になっている
「……ずるいよぅ…」
「!?」
ず…ずるい…!?
余計自分の何がいけなかったかわからなくなった
な、なにがだ…?何かズルいコトしたか?
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