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分離
「い…いやじゃ…なかったの……?」
「え…あ…う、うん…?」
そういったらなぜか桜井さんにビックリされてしまった
しかもズルいって…
桜井さんはそのまま顔を覆ってはわわ…って言いながら動かなくなってしまった
な…何がいけなかったんだ……
わからなくてぽかーんっとしてしまう
そして気づいたら座り込んでいる俺とちづちゃんのすぐ横に誰かが立っていた
「まな…」
「……あ…ぎん……」
「……?」
なんかデジャヴな気がする…
銀がイライラしている…
き…きすしたから…だよな…
ちづちゃんも銀が怒ってることがわかったのかひぅ…!!っと情けない声をあげていた
銀はじーっと俺を見下ろしている
「な、なんだよ…」
「………」
「な、なんか言えよ…!!」
「………」
「!?きゃっ…!!」
「!?わっ、ちょ…は、離せ…!!」
「………」
すると突然銀はしゃがみこんでいた桜井さんを担ぎ上げ、俺の手を引っ張って歩き出した
小柄な桜井さんは背の高い銀の肩に担がれて木に登って降りれなくなった仔猫見たいに体を小さくして顔を青い顔でぷるぷる震えてた
少し歩いてから銀が桜井さんを降ろす
「あ、ちづ!!」
「!!、な、夏輝ちゃぁ~ん…!!」
銀が桜井さんを降ろした先には桜井さんの友達の………友達がいて桜井さんはそっちによろよろと歩いて行った
それを見届けると今度はくるっと180度方向転換して銀はまたどんどん歩いて行った
「え、ちょっと銀!!」
「………」
銀はやっぱり何も言わない
でも銀に手を引かれてるし逃げることもできなくてついて行くしかなかった
「……………」
そんな俺らの様子を桜井さんの友達がうしろから不思議そうに見つめてた
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