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杉田くんだけが

杉田くんが肌寒くてくしゃみをしてた私にパーカーを貸してくれた 暖かくていい匂いがした ふあんとした幸せな気分になる 改めて杉田くんの事がすごく…すごく好きだと思った 「………もう9月だもんね…?浴衣じゃ寒いよね…」 杉田くんが照れくさそうにはにかんでそう言ってくれた その顔を見てまた胸の奥の方がきゅぅんっとなる あ…で、でも…これって杉田くんが寒いんじゃ… 「ご、ごめんね!!こ、これじゃ杉田くんが寒く…」 「俺…はそんな寒くない、よ……そ、れと…」 「……?」 「…ゆかた…に、似合ってるんじゃない、かな……」 「…………」 かちっと動きが止る 一瞬杉田くんが何を言ってるのかわからなかった ユカタニアッテルンジャナイカナ? …………… 「………………………!!!!!!!!!!!」 ずざざっと後ろに後ずさりたくなった 顔がどんどん暑くなってゆでたタコみたいな顔になってることが自分でもよくわかった 杉田くんはちょっとだけ気恥ずかしそうにしてた に…似合ってる…!?浴衣が!?そ…それってお…おっぱいがぺったんこで寸胴だねってことじゃ… そこまで考えてふるふると頭を振った ち、ちがうちがう!!…こ、これ…褒められてるんだよね…? 自分の格好を見下ろす 自分的にはなんだか座敷童みたいって思ってたけど夏輝ちゃんの言った通り着てきてよかった…!! 嬉しくて頬が高潮する 「あ、ありがとう!!」 「…………ん……」 杉田くんは杉田くん特有のふわっとした笑みを浮かべた ………あの時もそうだった… 杉田くんだけが私に嫌な顔しなかったし杉田くんだけ私の事褒めてくれた…

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