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二度目の告白

「す、杉田くん!!ちょ、ちょっと…来て…?」 「え…?」 「ちょ、ちょっとでいいから…」 ギュッと両手を握った桜井さんが俺の手を握って引っ張ってく 俺の右手を小さい両手で握ってんーって感じで一生懸命引っ張っててなんかかわいいなぁって思った …………でも違うんだよなぁ… 左手でガシガシと頭を掻いた 桜井さんの事は自分の中では好きな方だと思う… って言うかそんなに広いコミュニティを持ってるわけじゃないんだけどその狭いコミュニティのさらに少ない女の子の中の一人の桜井さん……優しいし、一生懸命だし、なんだか人見知り同士親近感が湧くし、かわいいなぁって思う でも違う… 桜井さんに引っ張られながら他人事のようにそう思った たとえば…桜井さんに今みたいに手を握られてもどきどきしたりしない…押し倒されても、キスされても(まぁあれは事故だったけど…)体中を熱がグルグルしたり唇に熱が残ったりはしなかった… それを与えてくれるのは… そんな事を考えていると桜井さんが立ち止まった 気付くといつの間にか人気のない周りが木の少し開けたところにいた 縁日のにぎやかな音が少し離れたところから聞こえてくるからそんなに遠くってわけじゃないんだと思う 桜井さんはクルッと俺の方に向き直ってギュッと拳を握って目をつむって何かブツブツ言っている すごく女の子らしいと思った 「あ…あのね…杉田くん…」 「………」 桜井さんは俺が肩に掛けてあげたパーカの袖をきゅっと握って、ほっぺたを赤く染めて、上目使いで話し始めた 目が少しうるうるしてた 「あ…の、ね…その……し、知ってる、と…思う…んだ、けどね…わ、わわ、わ、たし…す、すすす、すぎた…くん…の事が……そ、その…えと…す、す…すす、すき……でね…えっと…」 「………」 「そ、の…し、しつこい…って思うかも、しれないんだ…けど……」 「………」 「わ、わわ、私まだ…す、すぎたくんの、こと…が…えと…その……」 「………」 桜井さんの顔がどんどん真っ赤になっていく 声がどんどん小さくなって桜井さんは途中でぐうっと押し黙ってしまう… でもぎゅっと俺のパーカーを握って目を逸らさないように頑張っていた 「め、迷惑…だってわかってるのに…ダメで…なんか………だめ…で……」 「………」 仕切りなおすように声を出している キュッと一回桜井さんが目をつむってからもう一回俺の方を見た 「す…杉田くん…忘れちゃったかもしれないけど……私の作ったクッキー…おいしいね…って褒めてくれて…いっぱい…褒めてくれて……それ、で…私、嬉しくて…ね…」 「………」 「そ、それでちょっとだけ自信がついたの……な、夏輝ちゃん以外の子とも、お喋りできるようになってね…お、男の子ともちょっとだけ…話せるようになってね……」 「………」 「……杉田くんのおかげなの…」 桜井さんはゆっくりだけどハッキリと話し続けた 「す…好き…なの…」

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