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つまりどういう事?

俺は桜井さんに全部話すことにした 「その…さ……彼女いる?ってそういう事だったんだよな……ごめん…俺その…わかってなくてさ…」 「…………」 「彼女はいないんだけど…その…付き合ってる人はいて…えと…でも彼女じゃなくて……」 「………?…」 「えっと…その…………なんて言うか…さ…」 桜井さんはじっとして聞いてる さっきやっとあげた顔は泣きそうな顔を無理やりゆがめて作った不自然な笑顔で目にたくさんの涙が溜まって今にも零れ落ちてしまいそうだった なんだか切り出しづらい… でも桜井さんには言わないといけないって思った こんなに一生懸命俺を好きだって言ってくれてるんだから俺だって俺なりの一生懸命の好きを示さないといけない… 俺の…俺の一生懸命の好きは… 「………銀…なんだ…」 「………」 「………」 「………」 「………」 そう言った途端桜井さんの今にも泣きそうだった顔がすっと引っ込んで「…え」って顔になってこっちを見た あんまりビックリしたらしく涙も止って目にたまってたのがぽろっと地面に落ちた 聞き間違えたと思ってるのか首をかしげている 「えっとその…だから…銀なんだよ…お、俺の…こ、ここ…恋人…?」 「……で…でも…」 「うん…言いたいことわかるんだけどさ…そう、なんだ…」 「…?…??…」 桜井さんは顔文字にしたら口がてっぺんを上にした三角になってそうな顔をして目をぱちぱちしている やっぱりわかってないらしく首を捻ってたくさんの?を頭に浮かべてた ちょっとだけ待ってみる すると桜井さんが俺の方に近付いてきて突然体をぺたぺた触り始めた てっぺんが上の三角の口のまま「?…?…」っと俺の胸の辺りをぺたぺたと触っている 「す…杉田くん…女の子なの……?」 「え……」 「お…おっぱいのちっちゃい女の子…だったの……?」 「………」 桜井さんは「へ…へ?…」って言いながら俺と俺の体を交互に見ている 本当に混乱してるみたいだった 「えっと…俺は…男で…それで銀が…」 「じゃ…じゃあ…ピンクの人が女の子……」 「えと…ちがう…かな……?」 等々桜井さんはフリーズしてしまった ダメだ…話下手がこんなとこで影響してくるなんて… なんとか桜井さんにわかってもらおうとあーでもないこーでもないって考えてたら突然フッと視界が暗くなって後ろに優しく引っ張られた 暗い視界の隙間から桜井さんの「あっ」って顔が見える 「つまりな…?こういうこと…」 急に聞きなれた声と慣れた温度に包まれて頭が真っ白になった

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