610 / 1015
彼氏として
「す…杉田くん…女の子なの……?」
「え……」
「お…おっぱいのちっちゃい女の子…だったの……?」
「………」
「くくっ…」
「……ちょっと頬付…笑うのよしなさいよ…」
「やって…ふふ…お、おっぱいの小っちゃい女の子…クク…」
「………ほんと最低……」
まなとちづちゃんが二人でオレらと別行動を始めてすぐオレらは二人を尾行し始めた
まなはなんやいろいろ悩んだみたいやけどそっとちづちゃんに自分の着とった上着を掛けてやったりしていてはたから見れば十分お似合いのカップルに見えた
で、ちづちゃんに連れられて近くの森の空き地にたどり着いた
今はその草陰に身を潜めている
ちづちゃんはまなから衝撃のカミングアウトを受けて目をぱちくりしている真っ最中やった
「えっと…俺は…男で…それで銀が…」
「じゃ…じゃあ…ピンクの人が女の子……」
「えと…ちがう…かな……?」
「ブフッ!!」
「ちょっともう頬付!!」
隣にいるちづちゃんの友達がイライラしたように顔をしかめている
あかん…ちづちゃんおもろすぎ…
でもちづちゃんの方はいたって真剣らしく頭に大量の?をのせながらも一生懸命考えていた
けなげやなぁ…
さっきのまなへの告白見ても思ったけどまっすぐ一生懸命って感じ…
やからまなもその真剣さに打たれてオレとのことを言おうと思ったんやろう
でもまなはもう説明できなくなってしまったのか手をふにゃふにゃと彷徨わせながら「あー」とか「えーっと」とかいっとった
そんな様子にふっと頬が緩む
もうそろそろ…ええな?
よっこいしょっと重い腰を上げてぱんぱんっと尻に付いていた草を掃った
ちづちゃんの友達が怪訝そうな顔でこっちを見ている
さーて…いくかな…まなの彼氏として…
ちづちゃんの友達が慌てて止めるのも聞かないで大股でまなのとこまで歩いて行く
ちづちゃんはオレに気付いたみたいであって顔をしとった
手を伸ばしてまなの目を覆って優しく自分側に引き寄せる
まなは簡単にオレの腕の中に納まった
「つまりな…?こういうこと…」
まだ状況を理解できなくてされるがままのまなの唇を奪った
ともだちにシェアしよう!