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良い感じのお兄さん
「はぁ…」
ボーっと道行く人を目で追ってため息をつく
いい人いないなぁ…
結局あの後若葉ちゃんのお昼につき合わされて若葉ちゃんをあそこから降ろしてあげてから別れた
その後なんかもう授業に出るとかいう気分じゃなくて学校サボって早いうちからセフレ何人かに連絡取ってみたりしたけどなんかみんな都合悪くてもう結構な間このホテル街にボーっと立ってる
何人か俺を女と間違えたチャラそうなお兄さんとか昼間っからこんなとこでふらついて俺みたいなのに声を掛けるオッサンはいたけど全部適当に流した
今もちらちらこっちを意味深な感じで見つめてくる人は何人かいるけど全部無視する
ロクでもないやつばっか…
あーあ…後腐れのなさそうで、えっちうまくて顔も良い感じのお兄さんなんてそうそういないかぁ…
だんだん冷えてきたしもう今日は諦めようかと思ったとき派手な一団が目の前を通り過ぎようとした
聞き覚えのあるこえに見覚えのある顔…
彼もこっちに気付いた
「あれ?ハーフくんじゃん?ボッチ?寂しいねぇ」
「……違います…」
その男の腕に絡みついている綺麗なお姉さんたちが不満そうに『かなぁ~』と甘ったるい声を出す
それに応じてその男もはいはいと軽くキスを返したりしてた
銀くんのお兄さんの金さんだった…
聞いてもないのに金さんが口を開く
「このあいだ銀が照れちゃってね、家追い出されちゃったんだけどそしたらその時にもうめっちゃ可愛い子と出会っちゃってさ…それ以来こうやってんの、楽しいよ?さみしーボッチハーフくんも混ぜたげよっか?」
「…だからボッチじゃないです」
どうやってるかはあえて聞かないけど…この人の事だし女の家を転々としてるんだろう…
今は関係ないことだけど最近銀くんがちょっとつやつやして学が今までにも増してげっそりしてる理由がわかった
金さんは至極普通そうな顔して俺を見てる
そこで良いことを思いついた
いるじゃん…後腐れのなさそうで、えっちうまくて顔も良い感じのお兄さん…しかも最上級に…
思うが早いか女を腕に絡めたままの金さんの胸にぎゅっと腕をまわしていつも他の人にするみたいに怪しげに笑ってみた
「ところで金さんさ…Will you make love with me?」
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