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オレに分けて?
こうして俺と金さんとの共同生活が始まった
後から聞いてホント呆れたけど金さんは銀くんだけの連絡先が入ったケータイと数百円と大量のコンドームのレシート以外何も持ってなかった
服の着替えも身分証明書もない…
クズだ…
こんなので21歳、もう成人してるって言うからおどろきだ…
そして今日も俺は金さんに抱かれる…
「ふーん…じゃあハーフくんはその後輩君の事が気になるんだ?」
「…ッン!!…っはぁ…べ、つに…そんなんじゃ…ンぁ!!」
金さんはセックスが上手だった
気持ちいい所を探して的確にそこを刺激してくる
頭がぱちぱちして…ぼーっとしてなんだか良い感じだった
…もうっ……イキそ…
「オレとしてる時もその子が出てくる?」
「……えっ…」
いつもみたいに行為をしている最中に金さんが突然そんな事を言った
急に頭が冴えちゃって体が冷えた感じだった
若葉ちゃんの顔がよぎる
「……ッ!!」
「ははっ、ハーフくんなかなかわかりやすいねぇ?好きなんだ?その子のこと?」
「……そ、んな…わけ…」
「いいや、そうだね」
「!!」
金さんは俺の中から自分のものを抜いてしたり顔でそう言った
金さんの言葉が頭の中でぐるぐるする…
俺が?若葉ちゃんを?……まさか…
そうだと自分で思い直して金さんの方を向きなおると金さんがにーっと笑った
銀くんに似てるなと思った
「ちがうって思う?そう思うならさ…」
「………」
金さんは面白いいたずらを考え付いた子供みたいにわくわくした顔つきで言った
「オレに分けてよ」
「!?」
「聞いた感じさ、おいしそうだしいいなって」
「………」
「ダメ?」
「………」
金さんが甘えるように首をかしげる
若葉ちゃんを?金さんに?
…………………
視線を泳がせていたら金さんがははっと笑ってベットの上で伸びをした
「まぁさ、気が向いたら連れて来てよ」
「………はい…」
結局その日はそのまま眠った
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