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好きなわけがない
俺が若葉ちゃんを好き…?
「あ!!ノア先輩ッス!!今日もいたッス!!」
「………」
「あれ?先輩考えごとッスか?思春期ッスか?」
「……そんなことないよ、hello若葉ちゃん…」
「へろーッス!!」
「Lの発音が違うよ…」
「英語苦手ッス!!」
若葉ちゃんは最近昼はいっつも屋上に来た
わざわざ使われてない机で階段を作ってよじよじと小屋の上まで登って来る
当たり前のように俺の隣に座ってごそごそと購買で買ったらしいパンを漁ってた
俺が若葉ちゃんを好きなんて…そんなわけ…
俺が好きなのは銀くんと学だし第一若葉ちゃんは全然好みじゃない……あ、まぁおちんちんは結構好みだけど…
若葉ちゃんはすでに二つ目のパンに手を伸ばしている
じーっと若葉ちゃんを観察してると目が合った
「…?ノア先輩パンほしいんスか?」
「……別に…?」
「これおいしいッスよ、もちもちきなこパン」
「いらないよ、オレ食べるとすぐ太るんだ…」
「!!羨ましいッス!!おれいくら食べてもおっきくならないッス!!」
「……ケンカ売ってんの…?」
バカだし…
やっぱりないなとため息をついて首を振った
そもそもなんで俺は若葉ちゃんとlunchしてんだろ…
……………
あーめんどくさ…
「ねえ若葉ちゃん…」
「?」
考えるのも嫌になって口を開いた
こんなみすぼらしいやつ好きになるなんて俺のcharacterじゃないし…
若葉ちゃんは口にきなこをいっぱいくっつけて首をかしげた
「今度さ、俺の家こない?」
「!!」
「きっと楽しいよ…」
「行くッス!!」
若葉ちゃんはにかっと笑ってそう言った
いいや別に…好きじゃない…好きなわけない…
何も知らない若葉ちゃんはただただニコニコしてた
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