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いいトコのお菓子アプローチ

後日… 猛さんが用事があるからって健斗さんとお昼を食べてたらドンッと誰かがおれらが使ってる机に手を着いてきた 健斗さんのクラスでご飯食べてたから周りにいた兄貴や学さんもちょっとびっくりした顔でこっちを見てた 「ちょっと若葉ちゃん…」 「…の、ノア先輩…?…」 机に置かれている手から伸びる腕を辿った先にはなんだか怒ったような顔のノア先輩が立っていた ノア先輩とはこのあいだの週末おうちに遊びに行った時以来ッス… ボーっとノア先輩の家での出来事を思い出そうとするけどなんだか不機嫌そうだったノア先輩とにこにこしてた頬付の兄貴の兄貴しか思い出せない… なんだか途中から記憶がないけど…気づいたら家で寝てておかんが『あんたタクシーなんかに乗って帰ってきて…贅沢ね…』なんて言ってたからきっと途中で疲れて寝ちゃったッス!! そしてきっとノア先輩がじぇんとるめんだから送ってくれたッス!! だってお財布からお金なくなってなかったッス!! もう一回ノア先輩の顔を見るとやっぱりなんだか怒ってるみたいな顔をしてた 学さんが何だかはらはらしながらこっちを見てて健斗さんはちょっと不安そうな顔をして見てる…頬付の兄貴だけが一人だけにやにや笑ってた 学さんが『銀に言ったら怒られるから言っちゃダメだよ』って言ってたけどやっぱり兄貴の兄貴と似てるッス… ……ところで…おれ…なにかしたんスかね……? おそるおそる口をひらく 「あ…あの…ノアせんぱ…」 「コレ、あげる」 「……え…」 「若葉ちゃん、甘いの好きでしょ?じゃ…」 「………」 それだけ言うとノア先輩はおれに大きな白い箱を押し付けてなんだかカクカクと不自然な動きで教室から出て行ってしまった ………右手と右足…一緒に出てたッス…… おれがぽかーんっとしてノア先輩の出て行った方を眺めてたら目の前に座ってた健斗さんが鼻をひくひくさせてノア先輩がくれた白い箱の匂いをクンクン嗅いでいた 「ねぇねぇ、若葉ちゃん…これ、いいトコのお菓子だよ!!」 「お菓子?」 「チョコレートの匂いがするよ!!よかったねぇ~若葉ちゃんチョコレート好きだよね?」 「!!好きッス!!」 ま、いっか!! なんかよくわからないけどノア先輩がいいトコのチョコレートをくれたッス!! がさがさと箱を開けて健斗さんと分けっこしてチョコレートのお菓子を食べる おいしいッス!!ちょっと苦くて大人な味ッス!! 「学さん学さん、学さんも食べます?」 「え…あ、いや…いいや…」 「っく…ぶくく…」 「兄貴?何で笑ってるッスか?」 「ぶはっ…別に…ふふっ…」 「?」 兄貴はお腹を抱えて笑ってて学さんはなんだか困ったような顔をしてた 健斗さんと一緒に首をかしげる なんかよくわかんないけど……とにかくノア先輩めっちゃいい人ッス!!

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