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カッコいいッス

そして当日… 花火大会の日がやってきた 俺は今日さくっと若葉ちゃんを落として自分の気持ちを確かめるんだ…!! 「………」 集合時間の15分前を示す公園の時計の下に立って若葉ちゃんを待っていた 「………」 俺はもうかれこれ30分ぐらいここにいる 自分でもなんでそんな早く来たのかよくわからない… けど…家にいたらいても経ってもいられなくなって気づいたら集合時間の45分前にはここに着いていた… 時計はそろそろ10分前を示そうとしていた 「………あれ?ノア先輩ッス!!早いッスね!!一番乗りッス!!」 「……若葉ちゃん…俺と若葉ちゃんしかいないんだから一番も何もないでしょ…」 「へへっ…でも一番って言った方がなんか強そうッス!!」 「………まったく共感できないんだけど…」 「ウス!!」 何がウスなのかわかんないけど若葉ちゃんは楽しそうだった 若葉ちゃんはカラフルな恐竜のシルエットが描かれた甚平にぺったんこなビーチサンダルを履いて髪にはいつものカチューシャをしてた 自分の浴衣を見下ろしてみる… 昔papaが実家から持って来てくれた白地に金糸で刺繍がされている浴衣に黒の漆塗りの下駄… 男はあんまり白が似合わないけどノアは髪の色が薄いから良く似合うねってpapaがくれたのだった ちなみに下駄はmamaがKyotoでオーダーメイドしたのだ、昔有名なshowで履いたんだって ………派手すぎたかな… いつもは絶対こんなこと気にしないのにそれを気にしてる自分にまた自己嫌悪になりかける 若葉ちゃんはきょとんっと首をかしげておとなしく待っていた はぁ…っとため息が漏れた 「いこ、若葉ちゃん」 「え、あ…ウス!!」 さっと浴衣の袖をなびかせて振り返る にぎやかな縁日の光がうっすら見えた 若葉ちゃんがぺたぺたと俺の後をついてくる 「花火までまだ時間あるね…」 「あ!!おれわたあめ食べたいッス!!あと射的もして…リンゴ飴買って、かき氷と…あと、えっと…」 「………食べ過ぎ…」 「ノア先輩も食べるッス!!」 「…俺は太るから良いよ…」 「ダメッス!!食べるッス!!ノア先輩ひょろひょろッス!!猛さんにパンチされたらぽきって折れちゃいそうッス!!」 「……まず猛にパンチされるようなsituationにならないよ…」 「はっ!!そうッスね!!先輩頭良いッス!!」 「………若葉ちゃんがズレてるだけだよ…」 そんな事を話しながら縁日に向かった 「あ、先輩!!」 「……?…なに?」 るんるんスキップで進んでた若葉ちゃんが突然足を止めて俺に声を掛けた 二カッと笑って口を開く 「浴衣、かっこいいッス!!」 「!!」 若葉ちゃんはそのままるんるんと縁日の方へスキップしていった …………… かぁ…っと体温が上がる ……なにさ…若葉ちゃんのくせに… 「ノア先輩!!急ぐッス!!ダッシュッス!!」 「ちょっと待ってよ…俺は別にサンダルじゃないんだから…」 ちょっと悔しかったけどでも嬉しいって思ってる自分もいてしずんでた気持ちがちょっとだけ上昇した ………若葉ちゃんなんて…俺がさくっと落とすんだから……

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