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もっと意地悪しちゃうゾ♥

ばつの悪そうに黙り込むハーフくんの着る浴衣の首元に手を伸ばして引っ張った 「……ッ!!」 よそ見して完璧に気を抜いてた所で突然首元を引っ張られて驚いたハーフくんのきれいな顔がすぐ目の前に見える 綺麗な青い目が零れ落ちそうなぐらい大きく見開かれてた けほ…焼き鳥焼くやつの上に乗り出すもんじゃないな…煙たい… そんな事を思いながら人目もはばからずハーフくんの唇にキスをした さっきの女の子達とかそれ以外にも周りにいた人たちがハッと息を飲んだりきゃーっと悲鳴を上げてたけど気にしない だってちゅーしたい気分だったんだもーん♪ それにしても…良いな~ハーフくんの唇…ぷるぷるのもちもちでその辺の女のそれなんかよりずっときもちーなー しばらくして唇を離してにこっと笑うとハーフくんははぁ…っとため息をついてめんどくさそうに乱れてしまった浴衣の襟の部分を直し始めた 周りにいた女の子が何人か倒れたような気がしたけど気にしなーい 「え~…反応うっすーい…そんなもん?傷つくなぁ…」 「別に今更ですし…」 「ひっどーい!!金さん結構モテるんだけどうれしー♥とかかなさんとキスしちゃったポッ♥とかないの?」 「俺もモテます」 「ハーフくん最近かわいくなーい!!」 ぷんぷん!!あった初めのころなんてそっちからすっごい誘惑してきたくせにっ!!ひどいっ!! もう金さん怒っちゃったもんね!!もっと意地悪な事言ってやる!! 「じゃあさ…今の、若葉ちゃんにやるって言ったらどうする…?」 「…………」 ハーフくんの顔が一瞬で陰る 別に…って言いたそうな顔してるけどそれが言えなくてもどかしそうだった だってハーフくんは若葉ちゃんの事が好……おっと…これはまだナイショなのかな? 違うってことにしてるのかな? ハーフくんはキッとオレを睨み付けて黙ってた 「ヤダな~冗談だって~」 「………」 ばしばしとハーフくんの背をたたく ハーフくんはまだオレの事を睨んでたけどしばらくするとはぁ…っと溜息をついて『別にどうだっていいです』なんて強がりを言い始めた そうやってプイッとそっぽを向く様子がいつものハーフくんと違って年相応らしくてなんだか可愛かったからもう一回口のはしっこのとこにちゅーしといた 「ふふっ、じゃあね?ハーフくん?オレこれでも応援してるんだから頑張ってネ♥」 「そんなこと金さんに言われなくてもそうしますよ…」 相変わらずめんどくさそうにハーフくんがそう言って立ち去ろうとした さーてオレもそろそろバイトにもどろっと、時給1500円に見合う働きをしなくっちゃ!! お給料もらったら銀に可愛い(性的な)お洋服か(性的な)玩具でも買って送ってあげよっと そうしてオレはハーフくんと別れた でもそんなオレとハーフくんのやり取りを少し離れたとこから複雑そうな表情で見てた若葉ちゃんがいたことをオレらは知らない

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