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イチゴと普通

足をぶらぶらさせながらノア先輩を待つ ノア先輩はついちょっと前に飲み物を買いに行った おれはちょっとだけそわそわしてた… うーん…失敗したッス…困ったッス… 頭を捻り腕を組んで唸る 考えれば考えるほど深刻な問題だった ラムネはやっぱりイチゴじゃなくて普通のにするべきだったッス…一大事ッス… かき氷がブルーハワイかイチゴミルクかぐらい違うッス… うんうん唸って悩みぬいてやっと決意して立ち上がった やっぱりノア先輩に言いに行くッス!! イチゴより普通ののほうが良いに決まってるッス!! そうしておれは貴重品の入ったバッグだけを持ってぺたぺたとノア先輩が向かったんであろう屋台の方へ走って行った 早くしないとノア先輩イチゴラムネ買っちゃうッス!! でもそこでおれは見てしまった… 「……?……………?………………~?」 「………!!」 「……………………………………~…………ー」 「………」 ノア先輩のパンとかに掛けるはちみつみたいな色のおいしそうな金髪の向こうにもっとくすんだ色の金髪が見えた 良く知っている 兄貴の兄貴ッス!! 銀の兄貴の兄貴…つまり金さんは頭にタオルを巻いておいしそうな焼き鳥を焼いていた ノア先輩と何か話してる ただ話の内容はここまで聞こえてこなかった 何話してるか気になるッス!! イチゴラムネと普通のラムネの話はこの時頭からすっかり抜け落ちていてそのかわりにノア先輩と金さんが何を話してるかに興味が向いた もうちょっと近づくッス!! そーっと…そーっと… ささっ、さささっと気やベンチ、屋台の間なんかに隠れながらこっそりこっそりやっていた 「ハ……ん、もし…………葉ちゃ…と一緒に………の?」 「…………ら……なん………か…」 「…え~!!………りそうなの?」 単語が断片的に聞こえるようになった でもまだはっきりとは分からない… ただこれ近づくのは限界で無理だ 「え、ま……の?……とに?」 ノア先輩は何も言わない 「え…!!……-もまだ?」 「……………」 「ふ……ん、そ……んだぁ、へ………」 何を言ってるかはわかんなかったけど表情は見えた この時金さんがにやぁって笑ってるように見えた…

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