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触りたい
「………」
「………」
そーっとそーっと細くて薄い肩に手を伸ばす
でもその手はあと数センチってとこで叩き落とされた
「!!」
「……おい…」
「………」
オレのななめ前に立ってたまながこっちを振り返ってぎろっとオレを睨んだ
「ええやんかぁ~ちょっとぐらい…」
「いい加減我慢しろって!!まだ3日目だし…それにここ電車だぞ!!」
「もうむりやて~…」
オレは3日前に『まなに触らない』って言うルールを突き付けられた
そもそもはオレがエッチの時にやたらとまなの体が柔らかいって言いまくったことが原因らしい
オレは気にせんって言うたんやけどまなはダイエットするって聞かんし…しかも初めは『エッチしない』ってルールやったのをオレが調子に乗ってまなにべたべたくっついたらまなが怒って触ったらあかんって言われた…
まなは1週間~2週間ぐらいやって言うとったけどムリや…
もう3日目で限界やもん…
毎回まなが授業中うとうとしとるの見て触りたくなるし、体育でまなが着替えるの見ても触りたくなる
それに体育から戻ってきた時とかにまなのうなじが汗で若干しっとりして髪がへた…っとしとんのとか正直もう押し倒したい…
それにまなは今日みたいにヤらなくてもオレの家に来ることも多々あった
別にそらもちろん?ヤリたいって気持ちでまなと付き合ったわけちゃうんやけど正直その状態でまなに触れんのとかキツイ…
オレのちょっと裾の余る服着たり、日差し暖かくなっちゃって窓際で丸まって寝ちゃったりとかもうわざとなんとちゃうかってぐらいむらむらする
そのたびに今日みたく手を出しかけてはこうやって手を叩き落とされてた
「とにかく…自重しろってば…」
「………」
電車のドアが開いてオレの前をまなが降りてく
まなの髪がちょっとだけ風に吹かれてまなの匂いがちょっとだけした
もう…生殺し……
「……はぁ…」
「…?」
重たいため息が出た
案外今日あたりまなもちょっとならいいとか言うて手握るぐらいオーケーしてくれると思っとったんやけど思いのほかまなの決意は固くて1mmも触らせてくれなかった
少しでも触らせてくれたらそこからなし崩しにルール破棄してもらお思うたのに…
それどころかまなは身重の猫みたいにフーッ!!っとオレを警戒して全然近づかせてくれん…
しかもまだ3日目…
「……はぁぁぁぁ…」
「……?…」
また大きなため息が出た
あと1週間以上もこの生殺し地獄に堪えんとあかんのか…
ガックリと肩を落とす
先が思いやられる…
我慢できる気がしない…
「………」
「………」
再度そろーっとまなのうなじに手を伸ばしてみた
案の定ぱしんっと弾かれる
「銀…」
「………」
あと一週間弱か……
まったく我慢できる気がしなかった
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