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欲求不満
オレがまなに触れなくなって5日…
オレは確実にまな不足やった
「………あの…学さん?」
「なに?」
「あの…なんか……いいんスか…?…あれ……」
「あぁ…構って欲しいだけだから放っといていいよ、もう昨日からずっとあぁやって無理無理言うんだよ…」
「………」
まなが冷たい…
って言うか別に構って欲しいわけやないし………うそ…構って欲しいけど…
猛が憐れんだ目でまな越しにこっちを見てくる
猛の膝にはにこにこして猛の作った弁当を嬉しそうに頬張る健斗がいて正直羨ましかった
オレもまなとイチャイチャしたい…ちゅーもえっちもしたい…
でもまなは家で誰も見てなくても手を繋ぐのすら許してくれなかった
正直5日もしたら許してくれるって言うかなんかそう言う流れになったらええよって言うてくれるって思うとった…
くそう…まなも冷めすぎやねん…オレがどんな気かも知らんで…
もそもそと小ぶりなパンを大事そうに食べるまなの背中をじとーっと見つめる
でもまなはオレの視線に気づいてか気づかずにかこっちを振り向いたりはしなかった
不貞腐れて空を仰ぐ
ただそんな事してみたところでオレの欲求不満が解消されることはなかった
そんな俺を見かねたまなが声を掛けてくる
「…………」
「……おい…」
「…………」
「早く昼飯食わないと午後の授業遅れるぞ」
「…………」
ちょっとだけ俺を心配しているような声色のまなを無視する
オレは怒っとるんや…
でも結局まなはそれ以上何も言わず、ふぅ…っとため息を吐いてそのまま猛たちとの会話に意識を戻してしまった
呑気に健斗と昼飯の話なんかしている
風に吹かれてちらちら見え隠れする鎖骨やうなじ、日にあたってうっすらとシャツに透ける体のラインなんかにムラムラする
でもそれと同時に思い出してイライラが再燃した
きっかけは今日の3~4時間目にあった体育の授業だった
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