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言いたいと言えない

「…………」 「まな」 「………」 「…まーな」 「………」 まなの部屋に戻るとまなは明らかに不貞腐れてベットの上で壁の方を向いて体育座りをしてた オレが呼びかけても返事もしない 「まーな?」 「………」 「どしたん?不貞腐れんといてーや」 「………不貞腐れてない…」 「嘘やん、こっち向いて?」 「………」 まなはかたくなにこっちを向こうとしない しゃあないから後ろからまなの首に腕をまわして抱き寄せた まなはされるがままになっている 「まーな?しゃあないやん?まなのオカンもオトンも知らんのやし、悪気があったわけやないやろ?」 「…………不貞腐れてない……」 「まな~?」 「………………ない……」 まなの顔を覗き込もうと肩越しに首を伸ばしたらまなはプイッとそっぽを向いてしまった ん~…いつもよりご機嫌斜めやなぁ~ まなの乗るベットにオレも登ってまなを抱き込むように座った 「なぁ、まな、こっち向いてーや?」 「…………」 「いやなん?こっち向きたくないん?」 わざと頭をぽんぽんと撫でながら小さい子に尋ねるような口調で聞く まなはこういう言い方されたらムッとしてこっちを向いてくれるのを知ってる 「……別に…」 「じゃあこっち向いて?」 「………」 ほらな? 腕を緩めて催促するとまなは唇を突き出してむすっとした表情のままこっちを向いた まだ目は合わせてくれない 「ええやん、今日じゃなくても、今日はたまたまツイとらんかってん?な?」 「……子ども扱いすんな…」 「じゃあどうしたらええの?どうしたらまなちゃんのご機嫌治るん?」 「………」 「………」 まながまた唇を尖らせてそっぽを向こうとする かわええけど…子ども扱いするなって言う割にこういうとこはちょっと子供っぽい… その顎を掴んで無理やりこっちを向かせた それでも目線だけは合わせない ふーん…そういうことするんや… そのまままなの唇に自分の唇を重ねた まなの体がびくっと震える 「…ッン!?…ん!!んーっ!!」 「まな、しー…まなのオカンとオトンにばれるで…」 「ん!?…んぅー…ん…」 「ふふっ、ええこ」 じたばたと暴れてたまなが少しだけおとなしくなる それでもまなはぐいぐいとオレの胸を押して顔を背けようとしたけど唇がふにゃふにゃになるまで食んで、緩んだところに舌を入れて、音を立てて舌と絡めたり上顎を擦ったりするとすぐに体から力が抜けて力なく俺に寄りかかって来た たら…っとまなの口の端から涎が垂れ、肩ではぁはぁと息をして、とろんっとした目でオレを見つめる あー…押し倒したい…えっちしたい… まなは恥ずかしかったのか悔しかったのかきゅうっとオレの服の裾を握って肩にぐりぐりと頭を押し付けてきた そしてぽつりとこんなことを言った 「…………言いたかった……」 ちょっとまなの声が震えてる気がした まなの頭を撫でてやる 「オレと付き合っとるって?」 「………うん……」 「……そかそか…」 「…………でも……言えなかった…」 「うん」 「………ゴメン……」 そこで初めてまなが不貞腐れとったわけじゃなくて親の前でオレとのことを公表できなかったことでオレに罪悪感を抱いてたんやと知った まなの細い腰に腕をまわして抱き寄せて頭にキスをした 「……ムリして言わんくてええんよ…オレは気にしとらんよ…」 「………うん……」

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