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息子
「その…やっぱり世間体だってあまり良い物ではないし…それに…学だって大変…でしょ…?」
「……別に世間体気にしてるわけじゃないよ…」
「学がそう言ったって…やっぱり生きづらくなるじゃない…」
「…今だって周りに内緒にできてるし…そんなのわかんない…」
「わかるわよ…お母さん大人だもの……ねぇ、学…学、もう考えれない年じゃないでしょう?もうちょっと良く考えなさい…?」
母さんの言い方にカチンとした
そんな事とっくのとうにわかってる
今まで銀のおかげでそんなに苦労はしなかったけど俺だって銀と付き合うまでそう言うのってちょっとな…って思ったりしてた
でもそう思われたって、世間体が悪くったって、生きづらくなったって俺は銀の事が好きなんだ…
これが良く考えた結果なんだ…
「良く…考えてるよ…」
「…学……」
「考えてるって言ってるじゃん」
「学!!」
「なんだよ!!」
がたっと音を立てて立ち上がる
後ろ向きに椅子が倒れてまた時間差で大きな音が鳴った
突然母さんが大きい声を出すから思わず大きい声で返してしまった
母さんはびっくりした顔をしている
そう言えば俺はこうやって親とケンカしたりしたことなかったっけ…
こんな風に声を荒げたりしたらわかってもらえないに決まってるってわかってたはずなのにカッとして怒鳴り返してしまった
わかってもらえるように認めてもらえるように努力しようと思ったのに…ふてくされて…
銀とのこと…わかってもらおうと思ったのに…これじゃ…
そう思うと情けなくて涙が出そうだった
視界がうるんでくる
でもこんなタイミングで泣くなんて余計に情けなくて失敗したなってわかってるのにまた意地張ってしまった
俺はいっつもこうだ…わかってるのに恥ずかしくて素直にできなくて失敗する…
「………なん…なん、だよ…」
「……学…」
胸の中のグルグルして苦しい感情をどうしたらいいかわからなくていろいろな物が溢れてきそうになった
情けなくて逃げ出したくなって母さんたちから背を向けて走り出した
「学!!」
後ろで母さんの声がする
でもそんな声も無視して家を飛し走り続けた
なんで…なんでなんだ…
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