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わかってもらいたくて…
「まなどしたん?こんな体冷たくして…」
「……うん…」
「なんかあったん?」
「………うん……」
まながあまりに冷たくて寒そうやったからまなが好きで買い置きしとる暖かいココアを渡してオレはコーヒーを持ってソファに座りなおした
まなはココアの入ったカップで手を温めてココアが飲める温度になるのを待っとった
まな猫舌やもんな…
まなは何を聞いてもしばらくはうんしか言わなかったじーっとうつむいて落ち込んだような顔でオレが聞くことに『うん』って首を縦に振るか『ううん』って首を横に振るかで会話しとった
「………」
「………」
とうとう会話が続かなくなった
って言うかこれ以上質問しても『うん』か『ううん』しか返って来ないから意味ないと思った
コーヒーをローテーブルの上に置いてからまなの手にそっと手を添えてまなのココアも同じようにテーブルに置く
まなはあまり抵抗もなくスッと手を離した
「まな?おいで?」
「………」
なんだか精気の無いまなに向かって両手を広げるとまなは黙って寄ってきてオレの肩に頭を乗せた
まなの頭や背中を撫で、そっと耳元で話しかける
「まな…大丈夫?なにあったん?」
「………」
「……まな…」
「………っう…ぅぇ…うぅ…」
「………」
そう尋ねるとまなは突然オレの服をキュッと握ってぽろぽろと泣きだした
ぽんぽんと子供をあやすみたいに背中をたたいてやる
まなはオレの肩に顔を押し付けてますます泣いた
「なぁ、まな……オレに教えて…?」
「………」
「まーな…」
「……………………けんか……した…」
「………ケンカ?」
「かあ、さん…たち…に……銀の事……はなし、た…」
「…………」
「そ…したらね………」
まなは泣きながらぽつぽつと話してくれた
まなはオカン達にオレの事を彼氏だって言ってくれたらしい
でもわかってた事やったけどやっぱり心配されてそれがエスカレートしてケンカみたいになってオカンに怒鳴ったりしてしまったらしい
まなはそんなことしたら認めてもらえないって頭ではわかってたはずなのにカッとして怒鳴ってしまってゴメンと泣きながらオレに謝って来た
悔しそうに拳を握っていた
まなは一度泣きだすと止まらなかった
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