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不貞腐れ

銀はずっと俺の背中を撫でながら話を聞いてくれた 思い出してまた悲しくなったり後悔したりしたけど銀にいろいろ話してすっきりできた やっぱり銀が好きだな…って…思ったり…して…… 「……なぁ…まな…」 「?」 しばらくそうしていたら銀が声を掛けてきた 真剣そうな表情だ そんな顔で銀は俺が予想もしてなかったことを言った 「……あのな…でもまなやってな、オカンの言うとることが間違っとるとは思わんやろ?」 「……………」 銀が言った言葉になんだかまたムッとしてしまって良くないって頭ではわかってるのにむくれてぷいっと顔を背けてしまう 俺だってホントは母さんが間違ってるなんて思ってない…むしろ正しいと思う そんな俺の顎を銀が手で押さえて無理矢理視線を合わせた 「まーな?ダメ、こっち見て?話聞いて?」 「…………」 「まな」 「…………」 銀が言い聞かせるような口調で言う ………そんな事俺だってわかってる…もん… でも体が言う事聞いてくれなくて唇が尖ってどんどん不貞腐れて行ってしまう こんな…ガキっぽい… 「まな?」 「…………知らない……」 「ダメ、まな」 「……知ら…ない、もん…」 「………」 「………」 「…はぁ……」 「…?………ンン!?…」 不貞腐れて唇を尖らせてわざと銀から視線を逸らしていたらはぷっと尖らせた唇に銀が噛みついた ビックリして逃げようとするとじーっとこっちを見つめている銀に頭の後ろを押さえられて逃げられなくなった かぷかぷと繰り返し唇を噛まれて口を割り開かれる こうやってオレがへにゃへにゃになるまで銀にキスされ続けた 「話聞こうとしなかったら今度もっとすごいのするから?」 「…!!」 「返事は?」 「……………聞く……」 「おし」 そう言って銀は俺の頭をポンポンと撫でた なんだか子供扱いされてるような気がしたけど俺自身さっきまでひねくれていた感情がちょっと戻って素直になれたような気がした 「な?まな?オカンやって間違った事言うとるわけやないの、わかるやろ?」 「……………うん……」 「ん、ええこ…一般的にはな?男同士で付き合うの、普通やないし親やったら心配したりするのも当たり前やん?」 「……うん…」 「まなの言うとることやって間違ってないんやで?まななりに考えてくれてたんやと思うで?でもまなのオカンとオトンはそのこと知らないやん?まなが不貞腐れないでちゃんと言わなな?」 「………」 「わかる?」 「………………うん……」 「よし、ええこ」 そう言って銀はもう一度オレの頭を撫でてくれた

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