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本当だよ…
「それ…でね……その……」
「…………」
キュッと銀の手を握る手に力を込める
母さんは静かに俺が何か言うのを待っていてくれた
「母…さん……あのね…」
「……うん…」
「その……ぎん、も…一緒、なんだ……」
「……そう、みたいね…」
「……うん…」
母さんに突然謝られたり謝ったりで帰って来るまでに考えてた話そうと思ったことが全部飛んでしまった
挙動不審に視線を泳がせてもごもごしてしまう
「あの…ね…その…」
「………」
落ち着け…落ち着け…
すうっと震える息で深呼吸する
だいじょうぶ…母さんにちゃんとはなすんだ…銀が好きなんだっていうんだ…!!
銀が俺を一生懸命元気づけてくれたことを思い出した
勇気を出して帰ってきたんだ…!!
「……おれ…ね……ぎん、と、つきあってるんだよ…」
「…………うん…」
「……もう…一年半、になるよ…」
「……そうなの…」
そうやって一生懸命話した
本当に好きなんだ…いろいろあったけど俺なりに良く考えてたんだよ…世間体だって気にしたりなんかしない…ほんとだよ…嘘じゃないよ…
早口で自分でも何言ってるのか正直良くわからなかったけど一生懸命話した
銀の良さと俺は真剣だよってことをわかってほしかった
母さんは黙って聞いてくれた
銀も俺の手を強く握っていてくれていた
「………す………き…なん、だよ……」
絞り出すように言った
「…………」
「…………」
しん…っと静かになった
気が付くと銀の手をすごく強く握っていた
でも銀は何も言わずに俺の手を握り返してくれていた
「……ほんとに…好きなのね…」
「うん…」
「そう…そうなの…」
「…うん……」
母さんはそう言うと静かになった
目をつぶって何か考えてるようだった
そして目を開いて俺をまっすぐに見つめてにこっと笑った
「そうなの…それは、素敵ね」
「!!……う、うん…!!」
「……頬付くんも…そう?」
「はい」
「ふふっ、そうなの」
母さんはふふふっと笑ってなんだか嬉しそうだった
なんだか不安で重たかった胸の中がぱぁっと明るくなった
無意識ににこにこしてしまう
「頬付くんも…失礼な事言っちゃってごめんなさいね……学を…よろしくお願いします…」
「こちらこそ…よろしくおねがいします」
銀が深く頭を下げた
母さんも軽く頭を下げている
胸の奥がぽかぽかしてきて嬉しい気分になった
わかってもらえた…!!
パッと銀の方を振り向くと銀が優しい顔で笑ってた
幸せで涙が出そうだった
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