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両親おまけ 父と子

「…………」 「…………」 「…………」 猛のパパが家まで送ってくれるって言って車を出してくれた 大きなワゴン車みたいな車に猛とおれと猛ぱぱの三人で乗る さっき猛の家出るとき猛もついてきてくれるって聞いてちょっと安心した でも同時に猛は猛ぱぱに怒られたんじゃないかって心配だったけどそれが気になって猛の方を見たら猛はおれが何を思ってるかわかったみたいに『大丈夫です』って言って頭をぽんってしてくれた 笑ってたけどほんとに大丈夫だったのかな…? 猛はじーっと前を向いてる 猛のぱぱも猛もおれも何も話さなかった 「…………」 「…………」 「…………」 しーんとしてちょっと気まずい… そしてもうおれの家の近くに来たとき猛のぱぱが口を開いた 「健斗くん……」 「へ!?あ、は、はいっ…!?」 ずっと静かだったから猛ぱぱの声に驚いて変な声になってしまった 猛ぱぱがミラー越しにオレの事を見てる も…もしかして……お、おれも怒られるのかな……? ミラーに映った猛ぱぱの鋭い目にごくっと唾を飲み込んだ でも結局猛ぱぱは怒ったりなんてしなかった 「……私や恵梨佳が変な態度を取ってすまなかった………」 「………へ…」 「気分を悪くしただろう?申し訳ない…」 「あ……」 車がおれの家の前に着いて止まると猛ぱぱはおれのほうに体を向けてふかぶかと頭を下げた なんだか今日はたくさん頭下げられる日だな… どうしたらいいか困っておろおろして助けを求めるように猛の方を向くと猛は猛のぱぱの方に視線をやっておれになにか言うよう促した 「お、おれ…気にしてない…よ……た、猛ままも謝ってくれたし…へーきだよ」 「…………そうか……」 猛ぱぱはそう言うとちょっとだけふって笑った その顔が猛とそっくりでオレもちょっと笑っちゃった ……猛ぱぱも悪い人じゃないんだな… ついさっきまでの暗い気持ちはどこかへ行っていい気分だった そうだ!!今日帰ったらままにも猛の事教えてあーげよっと♪ 嬉しい気分で車を降りると猛のぱぱが窓を開けてくれた 猛にばいばいって手を振る 猛もにっこりしてて猛ぱぱにほんとに怒られたりしたわけじゃなかったんだなってわかって安心した 「じゃあ…私や恵梨佳がいることは少ないが…また遊びに来なさい」 「!!ありがとう!!猛ぱぱ!!」 そう言うと猛ぱぱはまたふっと笑った 「ばいばーい!!」 猛と猛ぱぱの乗った車はおれが家の玄関に到達したのを見送るとゆっくり発進した やっぱり猛のぱぱとままもいい人だった!! 普通じゃないなんて誰も言わなかったよ!! 学と昔した会話を思い出してそう思った 「ままーぱぱーただいまー!!」 この直後嬉しい気持ちでままに猛の事を話したらままは真っ赤な顔して『家に連れてきなさい!!』って言ったんだ…

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