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Hi honey

サァァァァァァっと俺の上にシャワーから暖かいお湯が降ってくる 自慢の髪の毛を後ろ向きに撫でつけてほっと息をついた 肛門から流れ出てつーっと内腿を伝って行く白い体液の不快感に顔をしかめる 「………っはぁ…疲れた…」 いててっとちょっとだけ痛む腰をいたわりながら自分で後ろの処理をして、体を洗って、髪を乾かして、シルクのバスローブを羽織ってbath roomから出た ひんやりした空気が流れてきてぷるっと身震いする ベットの上には俺の大好きな彼……にそっくりな男が全裸で体にシーツを巻きつけて寝そべっていてサイドテーブルに乗せてた雑誌を大して面白くもなさそうに読んでいた こっちに気付いてニコッと胡散臭い笑顔を浮かべて手を振ってくる それを無視して部屋に置いてる小型の冷蔵庫に近寄って瓶に入ったmineral waterを一本取りだした 火照ってうるおいの足りてなかった体に冷たい水が心地よく染みる 「あー、ハーフくんいいなー?オレにもちょーだい?」 「………」 「お酒ある?金さんお酒の方がうれしいなー…」 「………」 「わーいありがとう!!ハーフくん大好き!!」 水を取り出そうとすると酒をねだられ酒を出してやると喜んでベットから飛び出して来た 両手で俺にハグしてチュッと頬にキスしていく ……うさんくさい… 金さんはオレから貰った酒をベットに座って一気に飲み干すとまたシーツに体を絡めてダラダラと寝そべっていた ………ダメな大人… そんな言葉が頭に浮かんだけど言うとめんどくさいので黙っておいた あの若葉ちゃんの一件以来なぜか金さんは俺の家に居つくようになった 一度は出て行ったのにふらっと戻ってきて『やっぱり居心地良いからここに住む』って言い出してこんな感じの生活をしている 俺が学校行ったりストーキン…好きな人たちの観察をしてる間は何をしてるのかよくわからないけど多分気まぐれにバイトしてみたり、女の人ひっかけて遊んだりしてるみたいだった まぁ別に俺はヤルことできてたら満足だから良いんだけどね… 金さん上手だし…気持ちいいし… こくんっと水を飲みほして空き瓶をケースに入れソファに腰を下ろす すると今日は突然部屋のドアが開いて思いがけない来客が入ってきた 『来客』…っていうのはおかしいか…ココは彼女の家でもあるしね? 帰って来たって言うのかな? 長いきれいなブロンドに大きなサングラス、抽象画のような統一性のない、でもgorgeousで品のあるデザインのワンピースを着て、つばの広いハットをかぶった女の人が金色の高いヒールの靴でつかつかと部屋に入ってきた 金さんは腰回りに真っ白で薄いシーツを一枚巻き付けただけの格好だったけど自分の肌を隠そうともせずに寝そべったまま女の人を眺めてヒューっと口笛を吹いている 女の人はぐるっと部屋を見回すと金さんを見て、それから俺を見てニコっと笑った 一歩間違えば犯罪者になりかねない格好の金さんにも動じない 「…Hi honey how is it going?」 「…wow,驚いたなぁ……悪くないよmama、帰って来るなら言ってくれたら良かったのに」 「そう、元気みたいねhoney、あなたをびっくりさせたかったのよ」 mamaはそう言うと俺に近付いて両頬にキスをした 俺もキスを返す 金さんはこの間ニコニコしてこっちを眺めていた そう、この人が俺の生みの親でお母さん、志波 ラストン シャーロット… 約1年ぶりの再会だった

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