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ばかわんこ

若葉ちゃんは俺が急にいなくなったらどう思うんだろうか… 「………」 「……おいしいッス!!」 「………」 また口の周りに大量にパンくずをくっつけた若葉ちゃんを眺める 泣く?怒る?悲しむ?それとも引き留める? 一度湧いた疑問は今回は引っ込まず、ずっと頭の中でグルグルとし続けていた ……気になる… 「……?…どうしたんスか?ノア先輩…お弁当食べないんスか?」 若葉ちゃんがじっと動かない俺を不思議がって尋ねた それでも何も言わない俺に首をかしげている 口の端からポロっとパンくずが落ちた 「……ねぇ若葉ちゃん…もしさ…もし……俺が急にいなくなったらどうする?」 「…ん…ぇ?」 若葉ちゃんのまだパンくずだらけの口を手で拭いながらそう尋ねた うーっと口を拭う俺の手から顔を逃がしながら不思議そうな顔をしている 「もしもだよもしも…もしも俺がいなくなったら若葉ちゃんどう思うのかな~…って…」 「…?」 「………」 若葉ちゃんは目をつむってうーんって考え込むようなジャスチャーをした そしてちょっとしてパチッと目を開いてにぱっと笑った 「先輩、いなくならないッス!!」 「……はぁ?」 「…?…先輩いなくなるんスか?」 「……別に…そう言うわけじゃ…ない、けどさ…」 「……?」 若葉ちゃんにきょとんっと不思議そうな顔をされた いや、若葉ちゃんの方が不思議だし… なんで『もし俺がいなくなったら』って質問に自信満々で『いなくならないッス!!』って回答が帰って来るの? 「だって先輩いなくならないッス!!だからどうも思わないッス!!」 「……っはぁ…」 「あっ!!先輩幸せが…」 「………若葉ちゃんに聞いた俺がバカだったよ…」 「……?…先輩はバカじゃないッス?」 「………そうだね…若葉ちゃんはおバカだよ…」 「!!ひどいッス!!」 きゃんきゃんと若葉ちゃんが吠えたてる でもそんなの耳に入ってなかった この犬は俺がいなくなることはないと思ってるんだ… 先輩聞いてるんスか~っと若葉ちゃんが俺を揺らす ………馬鹿だなぁ~… また一つため息が漏れた

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