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情報漏洩

「で…急になんなん兄貴?」 「別に?愛おしい愛おしい弟がお兄ちゃんいなくて一人寂しがってるんじゃないかなぁ~って思ってこの愛の巣に…」 「愛の巣とか言うなや、きしょい…」 「ひどい!!」 あれから一度銀が何だかふにゃふにゃして眠そうな学くんを連れてお風呂に入ってさっぱりして戻って来た せっかくだから銀の下着をオレが買って来たおそろいの下着に交換してあげようと思って脱衣所に行ったら鍵がかかっててお兄ちゃん悲しい… でも銀はお風呂から上がるとため息をついて仕方ないから泊まって良いって言った わーい!!嬉しいな♥ でもそれは一緒に寝て朝勃ちの処理もしてくれるってことだよね?って聞いたら殴られたけど… しかもオレはソファで寝ろだって…グスン でもお兄ちゃんわかってるんだぞ、銀の照れ隠しだって♥ とにかくこうしてオレは泊まれることになったんだけどそしたらなんで来たんだって尋ねられた んもぅ、そんなの銀に会いたかったからに決まってるじゃんね? でもそう言ったら銀にため息をつかれた 「ってか今までどこおったん?」 「…気になる?」 「いや全く」 「気にしてよ!!」 「まな、眠いんやったら部屋で寝ててええよ?」 「……ん、んーん…」 「無視!?」 銀は自分の隣に座ってふらふらと船を漕いでる学くんを自分側に寄せた もう、そんな風に無下に扱うんだったらとっておきの秘密教えちゃうゾ♥ 「オレね、ハーフくんのところにいたんだ」 「は?志波?」 「んー、あ、そうそう、志波君って名前だったね?」 「……はぁ…」 『志波』って名前に反応してか眠たげで銀の腕に収まって実際眠りかけてた学くんも顔を上げた だけどまだ目がとろんっとしてる 銀に子供みたいに背中をとんとん叩かれて今にも眠ってしまいそうだ でもきっとこれ聞いたら目さめちゃうよ☆ 多分言っちゃダメな事なんだろうけど金さん言っちゃう~♥ 「ハーフくんのお母さんがこのあいだ帰って来てね、ハーフくん、イギリスに帰ってモデルやるんだって」 「…は……」 「……へ…」 「あっ、言っちゃった♥」 言うつもりだったけどね☆ だって面白そうだし 実際はまだハーフ君は迷ってたって感じだったけど別に今そこはそれほど重要じゃない だってオレは面白くなってくれればいいんだもん 銀は目を真ん丸にしてふにゃふにゃしてた学くんも大きくぱっちりと目を開けてこっちを見つめていた 眠気も吹っ飛んだって感じかな? そんなに見つめちゃイヤン♥ 「……しば、が…?」 学くんがまだ眠気が少し残ってるのかとろとろした声で尋ねる なんだか不安そうだった ハーフくんと仲良しなのかな? でも学くん昔ハーフくんに拉致まがいの事されてしかもいろいろえっちいことされたんじゃないの? それも許しちゃったのかな?学くん優しいもんね 銀はオレを疑わしそうな目で見つめてた 「それ…志波は誰かにいったん…?」 「さぁ?」 「さぁって…」 「だって知らないんだもーん」 銀もやっと信じてくれたのか険しい顔をしてる 学くんは不安そうに銀の服をキュッと握ってた いいねいいね~青春してるねぇ~ 面白くなりそう♥ ふふーって銀と学くんに笑顔を見せてから今自分が座ってるソファに横になった 「お兄ちゃん眠くなっちゃった、もう寝るね、おやすみ~」 「あ、おい、兄貴」 「んー、なぁに?お兄ちゃん眠いの…いまから銀がえっちしてくれるって言うんなら起きるけど…」 「………」 「え、なになに?もしかして考え中?ありなかんじ?」 「………アホか…まないこ、オレらも寝るで」 「え…う、うん……」 銀はもうこれ以上オレからは何も聞けないと諦めたのかよいしょっと立ち上がって部屋に向かった そのあとにちょっと足元のおぼつかない学くんがついていく 学くんはなんだかもっとオレに聞きたいことがあるみたいだった オレにはもう話せることなんてないんだけどね さっきのが真実で全てだ だから学くんには手を振っといた 学くんは遠慮がちに頭を下げて銀についていく 久々にいい気分で良く眠れそうだった

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