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教えてア・ゲ・ル
ぺかぺかと笑顔を浮かべた若葉ちゃんがハーフくんとお話ししたことやお昼ご飯を一緒に食べた事なんかを楽しそうに語った
頬が赤く上気して本当にハーフくんの事が好きなんだな~って感じ…
きっとハーフくんがいなくなっちゃうとか微塵も考えてないんだろうなぁ…
なんだか哀れでかわいらしかった
聞いた感じだとやっぱりハーフくんはモデルの事、若葉ちゃんに話してないのかな?
話してないんじゃなくて話せないのか、話さないつもりなのか…まぁまだモデルになること自体迷ってるから言わないってことにして自分を誤魔化してるのか…そっかそっか…
ニコニコお話しする若葉ちゃんのくだらない話を聞いてそして満を持して口を開く
「そっかぁ…じゃあ……『アレ』は聞いてないのかな?」
「…?アレ?」
「そう、アレ」
若葉ちゃんは首を捻った
やっぱり聞いてないんだね?
若葉ちゃんは一生懸命『アレ』がなにかを考えてるみたいだった
でもしばらく考えて自分は知らないんだとわかるとオレを見てそれから少ししゅんとした顔になった
オレは知ってるけど若葉ちゃんは知らないってわかって落ち込んじゃったのかな?
ふふー、かわいいなぁ
「そっかそっか、聞いてないのかぁ~」
「?」
若葉ちゃんがまた首をかしげた
気になるんだね
「…その、『アレ』…って…なんなん、スか……」
「知りたいの?」
「………」
そう尋ねると若葉ちゃんはこくんっと素直に首を縦に振った
「え~でもなぁ~、言っていいのかなぁ~?」
「………」
若葉ちゃんがまたしゅんとした
こうやってゆさぶりを掛けて不安にさせてゆく…
「でもなぁ~大事な事だしなぁ~」
「……でも…あの…」
「でも気になるよねぇ~」
「………」
「う~ん、でもオレが勝手に言っちゃうのもなぁ~」
若葉ちゃんはちょっと罪悪感を抱いたのかオレから目を逸らして少し考えているようだった
でもやっぱり不安なのかちらちらとオレを見ている
ぞくぞくした
「あの…おれ、やっぱり…」
「……うん!!そうだ!!言おう!!若葉ちゃんだもんね!!きっとその方がいいよ!!」
「……え…」
若葉ちゃんがやっぱりいいと言いかけたところでかぶせるようにそう言った
若葉ちゃんの瞳が揺れてまた迷いの色がよぎった
きっと若葉ちゃんは聞いてはいけないことを聞いてしまったって罪悪感感じちゃうんだろうなぁ~
よぉっし☆金さん言っちゃうゾ☆
「あのね…若葉ちゃん…」
「………」
「ハーフくんね……もうすぐイギリスに帰っちゃうんだ…」
「………」
若葉ちゃんは大きな目を余計にまんまるに見開いていた
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