若葉ちゃんが元気がなくてその原因のなにかを俺に隠そうとするから無理やり聞きだそうと少し強引に聞き出そうとした そしたら若葉ちゃんは急に堰を切ったように泣き出してしまった…… 「うっ、うぅ…うぇ…」 「…な、なんで泣くの……？」 「…グズッ…うぇぇん…」 「………若葉ちゃん？」 若葉ちゃんの涙はじわじわ溢れてきて止まらない 大きな目から大きな涙の粒が伝い落ちて行く 俺はその涙を手で拭ってあげた どうしたの若葉ちゃん？なんで泣いてるの？ 若葉ちゃんは下を向いたままぽろぽろ泣き続けている 「…泣かないでよ、若葉ちゃん……」 「………」 なかなか泣き止まない若葉ちゃんを見てたらなんだか体が勝手に動いて気づいたら若葉ちゃんの頬にキスしてた 若葉ちゃんの涙が唇に触れ、舌に触れる… ………しょっぱ… 若葉ちゃんはビックリした顔でこっちを見てた そういうことをされるのに免疫のない若葉ちゃんには効果てきめんだったらしく若葉ちゃんはぴたりと泣き止んでいた 若葉ちゃんの涙でぬれた柔らかい頬を撫でてやる ゆっくりと口を開いた 「Please tell me…」 若葉ちゃんはじーっと俺を見てた 「教えて…若葉ちゃん…」 「………」 そう言うと若葉ちゃんはハッとしてまた少しオレから目を逸らしてしまった でもさっきみたいに強引に顔を合わせたりはしないでじっと若葉ちゃんを見つめ、待った 「………」 「………」 しばらくの間沈黙が続く そしてしばらくすると若葉ちゃんは決心したような、また泣いてしまいそうな顔で口を開いた 「……あ、の…」 「………うん……」 「先輩、は…その……」 「………」 「………………い、ぎりす…に、か、かえっちゃ…うん…ですか……」 「………」 若葉ちゃんがかすれた小さい泣きそうな震える声で目に大粒の涙を溜めてそう言った キーンコーンカーンコーンと午後の授業の開始を告げるチャイムが鳴ったけど俺も若葉ちゃんも一歩も動かなかった