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Tell the truth

「………………い、ぎりす…に、か、かえっちゃ…うん…ですか……」 「………」 若葉ちゃんのその質問に目を見開いた なんで若葉ちゃんがそのことを… 若葉ちゃんはそんなびっくりしたような俺の顔を見ると顔をクシャっとゆがめてまたぽろぽろと泣き始めてしまった 若葉ちゃんの涙がコンクリートでできた小屋の上に落ちてその部分だけ色が濃くなる 「………若葉ちゃん…」 「……うっ…うぇ、いい…ッス…だいじょ、ぶ…っすぅ…」 若葉ちゃんは俺が声を掛けようとするとふるふると首を振ってた そもそもなんで若葉ちゃんが泣くの…? 俺にはなんで若葉ちゃんが泣くのかわからなかった それにまだ行くって決まったわけじゃないんだよ… それを口に出そうとしてハッとした 『決まったわけじゃない』って… 俺は行きたいと思ってるじゃないか…それにこのセリフをこのタイミングで言っていいのは最終的に行かないって選択をするときだけだ…… 若葉ちゃんはえぐえぐと嗚咽を漏らしてぽろぽろと泣いている 俺はきっとイギリスに行く… イギリスでmamaと同じようにモデルをする… ブルッとなんだか寒気みたいなでも全くその逆のなにかみたいな身震いが起こった 多分…こういうのを『決心』っていうんだ… 小さくて俺がいなくなるって聞いてぽろぽろ泣いて悲しんでる若葉ちゃんに視線を向けた 皮肉だな… 決心しようと思うたびに若葉ちゃんの顔が浮かんでなぜか決心できなかったのに若葉ちゃんにそのことを聞かれた瞬間に決心がつくなんて…… そっと若葉ちゃんに手を伸ばした 「………若葉ちゃん…」 「…ううっ、うぇぇん…うぇっ…」 「…若葉ちゃん」 小さい若葉ちゃんの背中に腕をまわして抱き締める 若葉ちゃんの体は思っていたよりもずっと細くて小さいような気がした 「……俺ね、行くよ…イギリスに…向こうでね、モデルをやらないかって言われたんだ……しばらくは…若葉ちゃんとも会えなくなっちゃうね…」 『しばらくは』あるいは…『ずっと』 「うぁ…!!う、ぁ…うぁぁん…」 若葉ちゃんは俺の制服をぎゅぅっと強く握って俺にしがみ付いて大きな声を出して泣いた 泣いて泣いて…顔が涙と鼻水でぐしゃぐしゃになるまで泣いた 俺は制服が濡れたって、しわが寄ったって若葉ちゃんを離さなかった

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