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わんこの成長

「そう言うわけで…俺、イギリスでモデルやることになったんだ…皆寂しいと思うけど応援してね?」 「………」 「………」 「………」 「………」 久々にこっちに昼ご飯を食べにいた志波はハンカチを目元に当てて芝居がかった様子でそう言った 志波のすぐ隣には若葉ちゃんがいる 対応に困って周りを見ると猛や健斗もなんて言ったらいいか決めあぐねているようだった 若葉ちゃんは知ってる…って…ことだよな? 銀の方にも視線を向けたけど銀も何か言うわけではなくじっとしてた 少し心配そうな視線を志波に向ける すると志波と目が合った 「なに?学寂しいの?やだなぁ~行きづらくなっちゃう♥」 「え…あ、あぁ…」 「だったら最後に俺と銀くんと学で3Pでも…」 「アホか」 いつもと全く変わらない調子の志波を一蹴して銀が後ろから俺を引っ張って自分の胸元に抱き込んだ 「っちゅうか俺らもう知っとったし…別にしたいようにしたらええんちゃう?オレは目障りなやつがおらんくなってくれて清々するわ」 「あぁん♥銀くん辛辣♥I love you♥」 変な空気の中で銀と志波だけが通常運転だった 銀が志波と言い合ってる間にそっと腕から抜け出て若葉ちゃんの隣に行く 若葉ちゃんは志波が話してる間中じーっとして静かだった 若葉ちゃんのところに行く俺を見て健斗も寄ってくる ちなみに猛は志波と銀がヒートアップしすぎないように仲裁に行っていた 「……若葉ちゃん…いいの…?」 健斗が心配そうな声で尋ねる 若葉ちゃんはへへっと少しさみしそうに笑った 「いいッス、ノア先輩が決めた事ッス」 「………」 「……そう…」 そう言った若葉ちゃんにいつもの幼さはなくて大人みたいだった なんだかそのセリフを言った若葉ちゃんよりも聞いた健斗の方が悲しそうな顔をしてる 良く知らないけど…若葉ちゃんは志波の事が好きなんだろ…? じーっと志波の事を眺める若葉ちゃんの気持ちは俺にはわからないけどきっと辛くないなんてことないはずなのに… 銀がすぐに会うことのできない遠くに行ってしまう事を想像してゾッとした きっと健斗も同じような想像をしたんだろう 猛のところに寄って行ってキュッと猛の服の裾を握ってた そんな様子を眺めてたら今度は銀と目が合った ニヤッと笑って両手を広げている 「なに?まなも寂しくなったん?ええよ?おいで?」 「ッ!!行かない!!」 「えー」 「あーん♥じゃあ学の代わりに俺が…」 「お前は呼んどらん、どこへでも行ってしまえ」 ブーッと銀が唇を尖らせてみせる やっぱりあいつは一度遠くにでも行ってしまった方がいいかもしれない……身の安全的な問題で… …………………………もちろん冗談だけど… 俺らがそんな風に騒いでる横で若葉ちゃんだけがじーっとノアを見つめていた

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