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恋愛若葉マーク
「こら!!若葉!!あんた勉強しなさい!!」
「してる!!」
「すぐばれる嘘つくんじゃない!!」
「してるって!!」
おかんの声から逃げるように自分の部屋に逃げ込む
ドアを閉めてもまだおかんの声は聞こえたけど部屋まで追いかけては来なかった
本当ッスもん、本当に勉強してるッスもーん
唇を尖らせ、スマホの画面を確認しながら自分の部屋の布団に寝そべった
今はちょっと…休憩ッス!!
猛さんも息抜き大事って言ってたッス!!
「~♪」
ふんふーんっと鼻歌を歌いながらスマホを操作する
なんとなく気が向いて写真のアプリを開くとたくさん写真が出てきた
まだ高校に上がって半年ぐらいッスけど…たくさん写真撮ったッスね~…
昔の写真を見て見ると中学の時の写真も何枚かあった
ははっ、これ昔の猛さんッス!!
まだ今よりちっさくて細いッス
手前におれがうつりその後ろに不機嫌そうな顔で立つ中学時代の猛さんがいた
この時の猛さん最強だったッス!!
今もッスけど…
それを後で健斗さんに送ろーと思いつつ画面をなぞって写真を見て行った
高校の入学式…健斗さんと遊びに行ったときのプリクラ…あと猛さんも写ってるプリクラ…あ、こっちは初めてノア先輩と会って別荘に連れてってもらった時の写真ッス!!
こっちはノア先輩と『お友達』になった時のお祭りので…ノア先輩も写ってるッス!!
「ふふっ」
なんだか嬉しい気持ちになってそれを眺めてた
「………………」
ふっとノア先輩の事を思いだす
………ノア先輩…本当にいなくなっちゃうんスね……
ノア先輩が本当にいなくなってしまうって知っていっぱい泣いたあの日から何度かノア先輩と遊んだり引っ越しの準備のお手伝いに行った
でも学さんが少し残念がってたとか、それを聞いて頬付の兄貴が拗ねてたって話はいっぱいしたけどノア先輩もおれもノア先輩がいなくなっちゃう話はしなかった
モデルってどんなお仕事なんスかね?とかあっちいっても連絡くださいね?とか…聞きたかったことはいろいろあったはずなのに聞けなかった
……ノア先輩…
ノア先輩の事を考えると相変わらず胸のとこがきゅうってなる
最近これが何なのかちょっとわかってきたッス
ごろんと布団の上で寝返りをうつ
次に先輩に会うのはもう先輩が引っ越す日だった
午前中は学校に来てくれるって言ってたッス
きっとお昼もいるッスよね…?
また胸がきゅっとなって目をつむった
ノア先輩……
あの日すごく悲しくて痛いほど理解したつもりだったのにノア先輩がいなくなるなんて実感が湧かなかった
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