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stay
「うぇ…グズ、ぐす…いっちゃ…っや…ッス…のあ、せんぱい…うぁ…」
「……若葉ちゃん…」
若葉ちゃんはあの日みたいにせきを切ったように泣きだして止まらなかった
ガヤガヤ授業中だって言うのにいろんな教室の窓に何人もの生徒が集まって大泣きする若葉ちゃんと俺を見ている
はぁ…若葉ちゃんと目立つとか……
溜息が漏れた
でも若葉ちゃんは誰かに見られてるとかそんな事全然気にしないで俺の手をきゅっと握って泣いていた
俺に行かないでほしいって、一緒がいいって、顔をくちゃくちゃにして言っている
全くこんなとこでそんな風に泣くなんてどうかしてるよ若葉ちゃん?
……でも……そんな若葉ちゃんをかわいいと思ったりしてる俺の方がどうかしてるか…
もう一度大きく深呼吸した
ぐるっと校舎の窓に張り付く野次馬に目線を走らせる
ちゃんと見ててね?
生徒たちにニッコリ笑ってぱちっとウインクして見せた
そしてそんな俺に全然気づかずに泣きわめく若葉ちゃんの腕をグイッと引っ張る
「う、ぁ…!!」
「………」
バランスを崩して慌てる若葉ちゃんを支えて少し乱暴に顎を掴んでむりやりこっちを向かせた
やっと若葉ちゃんと目が合った
ははっ、目真っ赤だし、涙で顔べたべただし、鼻も真っ赤で鼻水ずるずるになって……すっごい不細工だよ若葉ちゃん
そのまま若葉ちゃんの唇を噛みつくように奪った
「………!!」
「………」
「………」
若葉ちゃんはうっ…って小さい声を漏らしたけど抵抗はしなかった
窓を挟んでるし、校舎とだってそれなりに離れてるからわかるはずないんだけど学校中の生徒がハッと息を飲んだような気がした
しーんと学校中が静まり返ったようなそんな感じ…
銀くんだけがケタケタ大いに笑ってるのが想像できたけど…
若葉ちゃんは俺のだから…俺の大事なpetだから…ちょっかいかけたりしないでよ?俺の物にそんなことしたらただじゃおかないから…
そう見せつけるようにながーくkissをした
くふくふと若葉ちゃんが苦しそうに唸ってるけどそれを無視してさらにながーくkissをしてからやっと唇を解放してあげる
若葉ちゃんはぷはっと色気も何もない息継ぎをした
「………『stay』だよ若葉ちゃん…」
「………?」
「俺が来るまでいいこで待ってるんだよ?」
「………」
若葉ちゃんは不思議そうに首をかしげてた
涙は止まったみたいだった
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