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体内80%
「See you laterッス!!ノア先輩!!」
「…ハハッ…満点の発音だよ若葉ちゃん…」
ノア先輩はそう言っておれの唇にもう一回ちゅってキスをして車に乗り込んで行った
車の窓からもう一度おれを見て少しさみしそうに笑って俺に手を振った
「またね、若葉ちゃん…」
ぶろろっとノア先輩とノア先輩のママの乗った早そうな車のエンジンがかかって車が動き出す
おれは車が見えなくなるまでずっと笑って手を振った
ノア先輩もおれが見えなくなるまで手を振ってくれてた
どんどん赤い車が小さくなって行ってとうとう見えなくなった
「………」
苦しくって辛くなってうつむいた
ぽたぽたと大量の涙が地面に落ちる
今まで落ちた涙のシミに混じってまたシミが大きくなった
ノア先輩が良い子にしてたら迎えに来てあげるよって言ってくれたッス…
「………」
だからノア先輩が行くまでちゃんとにこにこしてたッス…良い子に、してた…ッス…
ぽたぽたと落ちて行く涙の数が増えた
だから…だからノア先輩きっとすぐ迎えに来てくれるッス…
「うぁ…うぇ…ッグズ…」
校舎から出てきてた生徒がいっぱいいたしおれのこと皆見てたけど我慢できそうになかった
がんばって笑ってた顔がぐしゃってゆがむ
ノア先輩、いなくなっちゃったッス…もうしばらく会えないッス…
「うぇぇぇぇん、うあぁぁぁん!!」
前ノア先輩にイギリスに行くよって聞いた時みたく苦しくて悲しくて辛かった
もう一緒にお昼食べれないッス…一緒に遊んだりも、できないッス…
「うぁぁぁぁぁん!!うぁ、ぁあぁん!!」
「若葉ちゃん!!」
「…うぁ…けんと、さん…」
健斗さんも外に来てたみたいでおれのまわりにいっぱいいる人の間をすり抜けてそばに来てくれた
おれの顔を覗き込んで背中を撫でながらハンカチで顔を拭いてくれる
しばらくして人を割って猛さんも来てくれたみたいだった
周りにいた人たちが猛さんに気付いて少しだけ遠巻きになる
少し人ごみから離れたところでなんだか辛そうな顔をした学さんといつも通りの兄貴が立ってるのも見えた
「……若葉…」
「だ、げる、ざん……」
なんだか猛さんを見て安心したのかいろいろ我慢してた物に耐えられなくなってしまったのか膝からかくんっと力が抜けた
「若葉!!」
「若葉ちゃん!!」
猛さんが支えてくれたから倒れはしなかったけどなんだか悲しくて泣いても全然収まらなかった
「のあ…せんぱい、いっちゃっだッズ…うぇ…っも…いなく、なっちゃ…うぇぇぇん…!!」
「………」
ぎゅうっと猛さんの制服を掴む
猛さんも健斗さんもそうやってみっともなくおれに何も言わずついていてくれた
ノア先輩と一緒に体中の水が無くなっちゃったみたいになるまで泣いた
……ノア先輩…
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