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予想と事実

遊園地デート前日 「……はぁ…」 見慣れた目の前の扉を睨み付けてため息をついた ココは銀の家の前だ なんでわざわざ遊園地に行く日の前日にここにいるかというと… デパートに銀と買い物に行った日 結局銀の口車に乗せられて女装するための道具をそろえられてしまった… 服に靴にうぃっぐ?に化粧道具からアクセサリー………あと…その、アレ…まで…… 銀が『オレが欲しいの』とか意味の分からないことを言って全部買ってしまった… あの日、銀になだめられて買い物に向かってしまった自分を呪う… あの時点でやっぱり帰っとくべきだったんだ… 「………」 再度扉を睨み付ける でももう後悔しても遅い… 銀はもちろん自分が欲しいなんて言うのは建前で俺に着せるために買ったんだ だから今日から俺を泊まらせて明日の朝俺を化粧したり髪を整えたりするつもりらしい… 銀のにやにや笑いが頭に浮かぶ 「……はぁ…」 それからこのあいだ買った服を思い出してみた 銀は服やらアクセサリーを眺めながらやたらと俺に意見を求めてきて、結局なんか…俺と銀の好みの中間みたいな服を買ってた…気がする… ……好みってもちろん女の子が着てたら可愛いな~って思うっていう意味で…その…そういう趣味があるわけじゃないからな……そ…それに…銀の好みだけで買わせたらなんか…やたら布の少ないのになりそうだった…し… 始めに銀が選んだ服を思い出してかぁっと顔が熱くなった それから銀がこっそりと買ってたアレのことを思い出す ………アレ…は…ホントに着るのか…な… なんか胸の奥のとこがむずがゆいような変な気分になった 「………」 でももうここまで来てしまったら行かないといけない… 今から引き返す方が後からよっぽど怖いと良くわかってる 大きく深呼吸して銀の部屋のチャイムに指を乗せた 「……はぁ…」 明日起こるであろうことを思って深くため息をついてからチャイムを押した ドアの向こうからやけに軽いパタパタ楽しそうな足音が響いてくる でも…遊園地だし…外だし…猛たちだっているし…大丈夫…だよな…? そう思い直して自分を慰めてみた そしてその予想は悪い意味で大幅に外れることになる

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