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ムッツリスケベへオープンスケベより

「え~…おれってわからなかったの~?」 「…すんません……」 駅までの道をなぜか女装した先輩と並んで歩く 先輩はオレの周りをひょこひょこと飛ぶように歩いててかわいらしかった 低い位置で結ばれたおさげも一緒にはねている 「ふふー、でもね?いいんだ、猛がわからなかったってことは誰もおれだってわからないよ?いっぱいくっついてもじろじろ見られないね?」 「………」 先輩はそう言って自分の手をオレの手に絡めてきた …先輩もやっぱりそう言うの気にするんだな… いつも全然気にしてないような風に見えるけどオレと二人でいる時にジロジロと好奇の目に晒されていたことはわかっていたらしい 少し照れくさそうに嬉しそうにはにかむ先輩を見るとオレも嬉しかった 「……でも…先輩なんでそんな服持ってるんですか?」 「あ、これね銀がくれたの」 「頬付先輩?」 「うん、これ…」 先輩は自分のスマホをひよこのポシェットから取り出すと画面を操作して写真を見せてくれた そこにはいつも通りのヘラヘラした頬付先輩が誰かかわいらしい女性を抱き寄せて一緒にうつっている写真だった 女性は頬付先輩の胸を押してなんだか嫌そうな顔をしている… ………? 「これ、学だよ」 「!?」 「学が女の子の格好して普通のカップルみたいにデートするんだって」 「………」 「それでね銀がそう言うのもいいんじゃない?って俺にも洋服と髪の毛のやつくれたの、きっと猛も喜ぶよって…」 「………」 先輩はえへへっと嬉しそうに笑った オレは先輩とならなんだって嬉しいけど先輩は人の目を気にせずにオレと手を繋いだりできるのが嬉しいみたいで…だから結果的には頬付先輩に感謝…かな… 「あ、そうだ、あとね銀が洋服くれた時にね、これもくれたの、猛に渡してって言ってた」 「なんスか?これ」 「?わかんない?なんかのチケットみたいだった」 先輩が俺に手渡したのは白い封筒だった 中に入ってるものを取り出してみる 一つ目はなんかのメモみたいだった 『ムッツリスケベな猛くんへ ムッツリスケベくんの事だから心優しい先輩であるオレからのプレゼントをさぞ喜んでくれたことと思います きもいわぁ… とにかくきもいついでにこれもあげるわ、せーぜー楽しんどいで? p.s.黒い服の方も喜んでもらえると思います』 そんな事が書かれてた ホントに…なんなんだあの人… って言うか…黒…? 少し不機嫌になりながらも封筒に入ってた別の紙も取り出す 「いっ!?」 「?なに?」 「な、なんでもないです」 中から出てきたもう一枚の紙にはショッキングピンクの文字で 『HOTEL stars ご休憩サービス券』 と書かれていて その下にはホテルの写真と連絡先なんかが書かれていた ラブホテル…って奴だ… そもそも高校生でラブホテルなんて… 乱暴にその券をポケットに突っ込んで歩みを進めた デートは始まったばかりだ…

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