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似合いの男女

遊園地の中に入ると軽快な音楽と一緒においしそうな匂いや楽しそうな雰囲気が漂っていた ……人、多いなぁ… さっきから普通に立ってるだけで体に人があたる まなは安定しない靴を履いてるせいでさっきからこけってなってる ちなみにこのかかとのある靴はまなが選んだ かかと無い靴にしたらええのにオレが『まなかかとあるのは無理なんやない?』って言うたら意地張ってかかとあるのを買っとった まなも若干後悔しとるらしい さりげなくまなの腰に腕をまわして引き寄せてやった まなは目を白黒させておとなしく俺の腕に掴まっとった 「まな大丈夫?」 「う、うん…」 「ほな、いこか?ジェットコースター乗って他にも何個か乗ったらお昼食べよか」 「お、おお…」 まなはまだデートっていうものに耐性が無いみたいでオレのなすこと言う事すべてにドギマギしてくれて面白かった まなとデートってあんましたことないもんな? 旅館の時もあまり周りに人がいてどうこうって言うのやなかったしお祭りやってちづちゃんうんぬんがあったし… まなは気を取り直してパンフレットに目を落として初めに乗る乗り物を考えとった 猛からチケット貰うって時もそうやったけどまなは遊園地が楽しみだったらしく目がキラキラしとった そんなまなの肩に頭を乗せてまなの眺めるパンフレットを除く するとまなが身じろいで不機嫌そうな声を出した 「……銀…ち、近い…」 「?なんで?いっつも家でこれぐらいするやん?」 「そ、そうだけど…」 まなの耳がかぁっと赤くなった 照れとるんや、か~わええ~ そんなまなが可愛くてまなの肩にぐりぐりと顔を押し付けてるとすぐ隣を俺らより少し年上ぐらいの女子二人組が通って行った そのうちの一人と目が合ってそれから逸らされた その子が隣に立っとる女の肩をたたいてこっちをちらちらと見ながら話し始め、その声を聞いてまながぴくっと動きを止めて硬くなった 「ねぇ見た今の髪ピンクの人、超かっこよかった!!」 「見た見た!!でも彼女と一緒だったね~、どっちも身長高くてすごいスタイル良かった!!」 「なんか仲よさそうだったけどイライラする感じじゃないって言うか…お似合いだったよね~」 「顔、あんまり見えなかったけど雰囲気可愛い感じだったしね!!」 女子二人組はそんな会話をしながらそのまま人ごみに紛れて見えなくなって行った 固まったままのまなの顔をまなの肩越しに覗き込む今まで以上に顔を真っ赤にしてた うなじの方まで真っ赤になっとる… 「まーなっ?」 「!!」 「まなのことかわええってよ?」 「!!かっ、顔見えなかったって言ってた…だろ…!!」 「でもお似合いやって?」 「…ぅ……べ、べつに…そんなの…は…」 「うれしいやろ?」 「う…うれしく、なんか…別に…」 まなはさらに顔を赤くしてぷいっとそっぽを向いた でもやっぱり嬉しかったらしく耳がぴくぴく動いとった なかなかこういうのもええかもなぁ… 元々人ごみに混ざるのが好きじゃないから遊園地もまなが行きたいならって感じで乗り気ではなかったけどなかなかたまに来るには良いかもしれない まだ真っ赤なまなの手を握って歩き出した 「まな、ほらジェットコースター乗りにいこ?」 「っわ!!あ、う…」 まなは一生懸命オレの手を握り返してついてきた

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