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『彼女』の返答
胸の中がざわざわうるさくてどくどくと大きな音を立てて血が体中を流れている気がした
変な汗が吹き出してきて背中を伝う
どうしよう…
「…………」
視線の先では銀がホットドックを売ってるカートの前でクラスメイトの男子三人と話している
男子三人組はなにか話しては楽しそうにはははっと笑ってた
銀ならうまくごまかすかな…いや、でも…
「…………」
ハラハラしながらそんな事を考えてこっそり銀たちの様子をうかがってたらちらっとこっちを確認した銀と目が合った
やっぱりさすがの銀も少し困ったような顔をしてる
「…………」
だ、だいじょうぶ……なの…か…?
急に不安が増した
これ…俺ここから離れてあとから合流した方がいいんじゃ…
そんな考えを巡らせて一人慌てていたら今度は銀と話してたクラスメイトの男子三人組のうちの一人と目が合ってしまった
やば…
慌てて目を逸らしたけど少し遅かったらしい
そいつは少し不思議そうにこっちを見たまま首をかしげてからあぁ!!って顔をして興奮気味に銀と仲間たちに何か話していた
他の奴らの視線もこっちに集まって銀があー…ってもう諦めたような表情を浮かべてるのを視界の端でとらえた
そしてそいつらはお互いで何か話してその興奮気味の顔のままこっちに向かって歩いてきた
「!?」
こ、こっちにきた…!!…や、やばい…ど、どど…どうしよう…!!
逃げる!?で、でも逃げて…どうしたら…
や、やばい…やばいよ…!!ど、どうしよう近い…!!
慌てて頭を回転させたけどいい案は思い浮かばなくてそんな風に使えない頭を使おうとしたせいでもたついてしまって逃げるのも遅れてしまった
やっと慌てて立ち上がったけどその時銀とそいつらはもうすぐそばまで来ていた
や…やば…
「あの、すみませーん?頬付の彼女さんですかー?」
「………」
い…
かちーんと体が固まった
今思えばこのまま自分は関係ないって顔をしてそのまま立ち去ってしまえば良かったのかもしれない
でもその時の俺は見つかってしまったことで頭がいっぱいでどうしたらいいかわからなくってぐるぐるして立ち止まってしまった
「あの?もしもし?」
「………」
俺が固まったままなのを不振がってそいつが追って声を掛けてくる
ど、どうする…返事する…?
でもなんて返事を……っていうかそもそも声なんかだしたら俺が女じゃないってばれちゃうんじゃ…
つーっと嫌な汗が額を伝った
ど、どうすればいいんだ…!?
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