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まな『ぶ』とまな『み』

クラスメイトの前に引っ張り出されたまなは知らない人の前に連れ出された子供みたいにひっしとオレの腕にしがみ付いてオレの背中に隠れようとしとった 「だーいじょうぶやって、取って食われたりせえへんって」 「ッ!!ッ!!」 「ほら、こんにちわって、な?」 「ッ~~~~~!!!!!」 まなが声を出されんのを良いことに子供をなだめるみたい扱う 息をつめて必死に抗議してきたけど気づかないふりをしてそいつらの前に押し出した まなは背中をぴったりとオレの腹にくっつけて手をにぎっとった これでもかってぐらい顔を下げて顔を見せないようにしようとしとった 三人の視線がまなに集まる 「彼女ちゃーん?顔上げてよー?」 「おれ達そんな怖くないよ?」 「………」 なんとかまなの顔を見ようと覗き込むそいつらから一生懸命顔を逸らし続けとった 隙あらばこっちを向いてやだやだと首を振ってオレに縋ってくる かわええ… でもオレがまなの顔をこいつらに見せてもええと思った理由は別にあった まなもこんな怖がらんでええのになぁ… 自分で自分がわからないぐらい完璧に化けとるのにこのビビりようやもんな… もっと自信持ったらええのに… 「ほら、まーな?あんま意地張るの、良くないで?」 「ッ!?」 「ま、まなぁ!?」 もう涙目になってオレに懇願しとったまなの顎を掴んで引っ張り上げそのまま唇の自分の唇を押し当てた まなの顔が上向きになっとるせいでまなの顔にかかってたウィッグの髪の毛が払われてまなの顔があらわになる まなは人前でキスされとる事と、顔があらわになってしまった事と、『まな』って呼ばれたこと全部がごっちゃになって頭の中で処理しきれずキャパオーバーしてしまったみたいやった 顔を真っ赤にして目をぱちぱちと何度も瞬きしている 男子三人組もオレがキスしとるのを赤い顔をして目を大きく見開いて見ていた せっかくやし…舌も入れたろ… 「んぅ…!?」 「ッ!!」 逃げ腰になっとるまなの腰を抱き寄せて舌を吸う まなは一生懸命舌を引っ込めて口を閉じようとしとったけど逃げ切れずにへろへろになっとった まなの腰に手を滑らすとびくっと体が跳ねておもろかった この服の下でエロい下着に包まれたまなのそこがぐずぐずに熟れて震えてると思うと今すぐ押し倒してしまいたくなった そんな欲望を理性で抑え込んでまなの口から口を離す ぷはっと色気のない息継ぎをしたまなはそのままくたっとオレに寄りかかってしまった 三人組が赤い顔のままわなわななっとる 「まなの顔、見えたやろ?」 「へ!?あぁ…お、おぉ…?」 オレが声を掛けると三人ともハッとしておろおろと曖昧な返事を返した 「それとも…刺激強かった?童貞やあるまいし…まさかなぁ…?」 「そ、そんなことあるわけないだろ!!っていうか…まな…って…」 ここでむきになるのは童貞な証拠や…こやって話逸らそうとしとるし… まぁそんな事はともかくそいつらは『まな』という名前に反応してお互いの顔を見合わせとる くたぁ…っとしとったまな自身も『まな』って名前に反応して慌ててオレの背中に隠れて顔を背中に押し付けてきた だからだーいじょうぶやって… 「ん?あぁ…まな…えっと…そう、まな『み』っていうねん、やからまな」 「へ…?」 「?当たり前やろ?もしかしてまな『ぶ』やと思ったん?」 全然そんな事思ったこともなかったって言う風にそう言った 少し小ばかにするのもわすれない ちなみに『まなみ』って名前はたった今考えた 挑発に乗ったやつが言いかえしてくる 「そ、そんなわけないだろ!!顔だって見たし…全然違うだろ?なぁ?」 「え、あ、おぉ…」 「お、おぉ…」 他の二人も思い出したようにそう答えた こいつらホントはまなの顔なんてあんま見とらんのや キスって行為自体に目がいっとったからまなの顔なんてほとんど覚えとらんのに覚えとる気になっとる まぁ、今回はそれが好都合なんやけどな まなに大丈夫やったやろ?と肩越しに振り向いてみせると赤い顔で不機嫌そうにしとった

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