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まなみ

………どうしよう… じわっと嫌な汗が体からにじみ出る …………どうしよう…!! 「まなみちゃーん、怖がらなくても大丈夫だよー?」 「そうだって、頬付の彼女に何もしたりしない…っていうかできねーって」 「頬付の彼女じゃなかったらわかんないけど」 あははははっとそいつらが笑うけど俺は内心気が気じゃなかった 見ての通り俺は銀とはぐれてなぜかこの三人組と一緒にいる… どうもみんなで別れた時、こいつらのうちの誰かが間違えて俺の手を掴んでしまったらしい あの時、手を引っ張られた向きに違和感を感じて銀のいる方を見ると銀は銀で誰かを俺と勘違いしているみたいだった… あのときにこいつらの手を振りほどいて銀を追いかけておけばよかったんだ… そうすれば…銀とはぐれてしまったとしてもこんなめんどくさいことには… ギリッと歯を鳴らして10分前の自分を恨む 手出されるのが怖いとかそう言うのじゃない いやもちろんそんな事されたくはないのだけれど肝心なのはなんかの拍子に俺が男で知り合いの『学』だとばれることだ そんな事になったら俺は女装するような奴だって学校中に知れ渡る上に銀と付き合ってるってこともばれてしまう こんな形で…しかもあることない事いろいろ付け加えられて根も葉もないうわさが広まるなんて絶対に嫌だった ……どうしたらいいんだよ… 「まぁ、さ?とりあえず頬付に連絡したんだろ?だったらそのうち来てくれるって」 「そうそう、せっかくだしそれまで俺らと遊ぼうよ、アトラクションのチケットさ、女の子ナンパする口実にするために何個かあまりあるんだよね、それ行こうよ」 「………」 声が出せないからうまくコミュニケーションが取れないけどこいつらなりに多分楽しませてくれようとしてるんだと思う さすがにそれを無下にする気にはなれなかった 銀にはさっきメールしといたから来てくれるだろうし…アトラクション一つぐらいなら何とかばれずにできる…と思う…し… ぐっと覚悟を決めてこくんと頷いて見せた あとから思えばこの時ちゃんとアトラクションが何か確認しておけば良かったんだ… 「おー!!いいね~まなみちゃん」 「チケット無駄にならなくてよかったな~」 「じゃあ行こうか『おばけやしき』」 ……え…? さぁ…っと顔から血の気が引いた お化け屋敷…? 三人はいや~良かったとすでに俺の手を引いて歩き出している 目の前にはおどろおどろしい外装の建物が見えていた 「ッ!!ッ!!」 「あれ?まなみちゃんお化け屋敷怖いの?」 「大丈夫大丈夫、俺達いるしさ」 「ほら、いこいこ」 「ッ~~~~~!!!」 一生懸命手を引っ張って首を振って行きたくないアピールをしたけどこいつらは俺が少し怖がってるぐらいにしか思わなかったらしい 声が出せないのがもどかしかった 銀…はやくきてくれ…

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