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カナコ再び
「先輩、次どうします?」
「う~ん…」
ふわふわしたかわいらしい先輩にほっこりしながらパンフレットに一緒に目を落とす
休憩を終えてひと段落して今は次に行くところについて先輩が考えていた
ニコニコする先輩がかわいらしい
それに自分自身案外楽しめていた
……学さんには失礼だけど…頬付先輩と学さんが一緒だとこうはいかないからな…
温泉に行ったときの事を思いだす
人がいても平気で盛るし(頬付先輩が)、しかも見せつけてくるし(頬付先輩が)、外なんかでもお構いなしだし(頬付先輩が)……
思い出しただけで胃がキリキリした
まぁ、今日はいないし二人は二人で楽しくやってるんだろうからこっちはこっちで楽しくやろう
そう気を取り直して先輩が見ているパンフレットに再度目を落とした
「じゃあ…先輩こっちの方行ってきません?」
「そっち?あ、でもこっちもまだ行ってない…」
「え~それよりこっちにしましょうよぉ〜」
「え~?そこさっき行ったよ~」
「さっき休憩した辺りですね~」
「………」
「………」
「………」
おかしなことに気付いて先輩とほぼ同時に顔を上げた
紺庄先輩を挟んで向こう側になんだかけばけばしい女の人が座ってニコニコしてる
誰だこの人………って、あれ?なんか見たことある気がする……?
「やっほー健斗くん猛くん元気ー?」
「!!頬付先輩のお兄さん!?」
「金さん!!」
「そうだよー」
その女の人…もとい頬付先輩のお兄さんの金さんがふりふりと手を振る
なんでまたこの人も女装してるんだ……
なんだかげんなりする顔に会ってしまったと思った
それほどお兄さんの方と話したことはないけれど学さんの話を聞く限り頬付先輩と負けず劣らずって感じらしい…
紺庄先輩は金さんににこにこして手を振りかえしている
「健斗くんも女装してるんだーかわいいねー?」
「本当?女の子みたい?」
「うん、学くんのも可愛かったけどやっぱり身長があるからね~」
「学たちにも会ったの?」
「さっきチラッとね?」
金さんはなんだか少し困ったような顔でそう答えた
注意して見て見ると金さんの足首には氷の入った袋が当てられていてなんだか痛そうだった
「……ケガしたんスか?」
「あー猛くん聞いてくれる?実はさっきそこでナンパされちゃってしつこかったんだけどそれを銀が『兄貴はオレのもんやで♥』って助けてくれてぇ…」
「それ絶対嘘ですよね、特に先輩のセリフ辺り」
「ひどいなぁ~ほんとだよ~」
紺庄先輩は『銀王子様みたいだね~』なんて言ってたけど心底嫌そうな顔をする頬付先輩の顔が頭に浮かんだ
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