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いい気分
「う…わぁ……」
「………」
さっきまで拗ねてむすっとして下を向いていた先輩に外の夜景を見せると先輩は期待した通りの反応をしてくれた
目をキラキラ輝かせて観覧車の窓に張り付いている
そんな風にはしゃいでる先輩を見ると自然と笑顔になれた
先輩が目を輝かせたままこっちを振り返り無邪気な視線をオレに向けた
「……さっき思いついたんです、先輩パレード見たがってたでしょう?」
「………」
「パレード近くでは見れなかったですけど…ほら」
「…?………!!」
遠くの地面の方を指で指し示すとさっきまで紺庄先輩が見たいと言っていたパレードが見えた
よかった…ちゃんと見える…
イマイチ自身が持てていなかったちゃんと見ることができて内心少しほっとした
先輩はまた大きな瞳をキラキラさせて窓から遊園地の夜景の中を進むひときわ輝いているパレードを眺めていた
「間に合ってよかったです…その……先輩が望んでた物とは違うかもしれないスけど…」
「ッ!!」
「っわ!!」
出来れば近くで見せてあげたかったななんて思いながらそう言うと先輩はオレの首に飛びついて来た
ぎゅうっと抱き締められて慣れない感覚に少しだけ戸惑う
「パレードよりずっときらきらでわくわくするし嬉しいよ!!」
「…そうですか…?だったら良かったです」
「ありがとう猛!!」
先輩は嬉しそうにそうお礼を言うと今度は少しばつの悪そうな顔になって拗ねて冷たく当たったことを詫びた
別にオレは慣れてるしいいんだけど…それに拗ねてる先輩可愛かったし…なんて…
そんな事を思った自分に自分で呆れた
でも……
「…えへへ」
「ふふっ」
なんか…いい気分…
ニコニコと笑う先輩を膝に乗せながらそう思った
……先輩…かわいいなぁ…
ぼんやりと笑う先輩とバックの夜景を眺めながらそんな事を思っていたら今度は突然先輩に鼻先をキスされた
突然の事に目をぱちくりする
先輩はへへっと照れくさそうに笑っていた
思考がフリーズする
その時あのたまに来る『何か』がやってきてくらっとした
なんか…触れたい…
「………」
「…?」
くらくらが収まらなくて思わず先輩の頬に手が伸びた
「……先輩…」
「…!!」
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