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おまけ 彼女の中の人
「ホントだよ!!ホントに見たんだって!!」
「そうそう!!話したもんなぁ?」
「なんかいい匂いした!!」
「………」
月曜日
そいつらは案の定大きい声でクラス中に『週末に遊園地で見た頬付銀の彼女』の話をしていた
唯一の救いはみんなあまり真に受けてない事だ
「ホントだって!!まなみちゃんって名前でまなって呼ばれてた!!」
「スタイル良くてお似合いって感じだったんだって!!」
「なんかいい匂いした!!」
まなって名前に反応した数人がチラッとこちらを見た
ドキッとするけど多分その視線に深い意味はない
このままなんとかみんな受け流してくれれば…
「なぁ杉田!!そうだよな!!お前はまなみちゃん知ってるんだろ?」
「えっ!?…ぅ、あ…あぁ…まな、み…ちゃんね…」
そんな事を考えていたらそいつらは俺に話を振ってきた
とっさにそう返してしまう
ここでえ~?ってしらばっくれればよかったのに俺のばか…
自分で『まなみちゃん』だなんて言うのが恥ずかしくて顔が熱くなった
「なぁ?まなみちゃんって名前だろ?身長すごい高くてさ、こんくらいの髪の長さでめっちゃ恥ずかしがり屋な子だよな?」
「え…えっと…う、うん…たぶん…そう…かな…?」
「ほらぁ!!」
一度『まなみちゃん』を知ってると言ってしまった手前引っ込みがつかなくなってしまった
できるだけ曖昧なかんじの返事をと思ったけれどそいつは俺が否定しなければ満足らしくクラス中に思いっきりドヤ顔をしてみせた
クラスの奴らも俺の発言を聞いてざわつきだす
こんなことになるなんて……
くっそ…あの原因は何やってんだよ!!
イラッとして心の中で八つ当たりするとそれに呼応したように教室の扉から銀が入ってきた
わっと人ごみが銀の周りに移る
あの三人組も銀の傍に寄って行って自分たちの証言を裏付けようと声をあげた
「おぉ!!頬付!!なぁ、お前昨日彼女と一緒に遊園地にいたよな?」
「ん?あー…んー…」
銀は曖昧な返事でこっちに近付いてくる
そんな銀の態度を不服に思ったやつがまた声をあげる
「なぁ頬付!!会ったもんな?」
「んー、せやなー…」
銀のその発言を聞いてガヤガヤはより大きくなった
そんな時銀と視線が合って銀が俺をみてニヤッと笑う
ッ!!
しかも銀はとんでもないことを言いだした
「あの後とったプリクラあるで?」
「「「「「おぉ!!」」」」」
「!?」
何がしたいんだよこいつは…!!!
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