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おまけ 彼女の正体
「ほら?」
「「「「?」」」」
オレが鞄から出した紙切れにわらわらと人が寄ってきてそれを覗き込んできた
チラッとまなをみるとまなはすごい形相でこっちを睨みやめろよとジェスチャーで講義していた
でもやめなーい
このプリクラはこのあいだの遊園地デートの帰りに照れてるまなととったものだ
プリクラには手を繋いで写真に写るオレらや極めつけはキスしている写真まであった
まなは不安らしくソワソワしていた
「これがまな、どう?かわええやろ?」
「おぉ…」
「確かにスタイル良いし可愛い顔してそうだな」
「くそーキスプリなんて、リア充かよ~…」
「銀くんやだぁ~」
クラスメイト達がおのおのの感想を述べる
やっぱり誰も『まなみ』が『学』だとは思ってないみたいだった
ほーら、な?言わんこっちゃない
ビクビクと心配していたまなは恥ずかしそうではあったけど拍子抜けたような顔をしていた
皆がプリクラを見ている間にそんなまなに近づく
するとまなは思い出したようにオレを睨んできた
そっとまなに耳打ちする
だれもこっちを見ていなかった
「ほらな?言うたやろ、心配しすぎやて」
「………」
そう言うとまなは少し不服そうな顔をしたけれど案外素直にもこくんと頷いた
「……かわええってよ?まな」
「…ここでそう言うコトいうな…」
まな照れ屋やなぁ~
かわええ…
そう言いつつもまなは頬を赤らめたり、そんな自分に気付いてハッとして慌てたり、でもやっぱり想像してはまた顔を赤くしていた
乙女か…
そんな事思いながらみんながまじまじとプリクラを眺めるそこに戻ってぱっとプリクラを回収する
見せるのはいいけれどあまり長いこと見せとったら鋭いやつはいろいろ違和感に気付くのかもしれない
別にばらしたくて見せびらかしとるわけやないからな
クラスメイトは不満そうな顔で講義の声をあげた
「えぇ~頬付もっと見せてくれよ~」
「だーめ、回収~」
「減るもんじゃないだろ~」
「減るわ、価値が」
「ほおづきぃ~」
でもそんな声は全部無視した
まなはプリクラがオレのとこに戻ったのをみてホッとした見たいだった
あからさまに安堵の表情を浮かべている
思わずくくっと笑いが漏れた
かわええなぁ…
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