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おまけ ヤれなかった二人

「………」 「ん~♥今日のご飯もおいしいねぇ猛~」 「…あざッス…」 「おれ幸せ~」 ホントに幸せそうな先輩が自分の頬に手を当てて玉子焼きを頬張りながらん~っと歓声をあげる 今日は先輩とオレと二人だけでのお昼だ 頬付先輩と学さんはなんか別のとこでお昼を食べるらしい 先輩と二人きりだし…オレの作ったお弁当を幸せそうに頬張る先輩はめちゃくちゃ可愛いし…ストレスの元…頬付先輩はいないし…すごいこう…癒されるんだけどなんだか今日は別の事が気になって素直に癒されることができなかった 先輩が唐揚げを口に入れまた幸せそうに頬に手を当てる 「ほっぺに手当ててないとほっぺ落ちそう」 「………」 「…?猛?」 「あ、すいません…」 「大丈夫?」 「すんません…ちょっと考え事してただけです…」 「?」 先輩が不思議そうな顔で首をかしげる もんもんとして一度頭に沸いた考えはなかなか消えてくれなかった 遊園地デートに行った日 オレはまぁいろいろあって先輩とそう言うコトをせずに帰って来た その時はそう言う気分だった… というか…そう言うコトしなくても満足だったし、別にしたくなかったわけではなかったけれどオレの隣でにこにこ笑う紺庄先輩を見るとそんなことしてもしなくても変わらないような気がした… その筈なんだけど… 『はぁ?なにぃ?なんなん?で結局そのまま帰って来たん?オレがせっかくラブホテルの割引券あげたのに?猛くんもしかしてインp…』 頬付先輩の言葉が脳内でよみがえった それにバイト先のチケットくれた先輩も… 『なんだって!?お前せっかく彼女と遊園地行ったのに何もせずに帰って来ただって!?……もしかして……インp…』 って……確実にインポではないけど… ……… ちなみにバイトの人たちには『付き合ってる人がいる』とだけ言ってある 無意識にため息が漏れた 「?猛?」 「…あ、なんでもないです……」 少し前からぐるぐると頭に取り付いて離れなくなった考えがまた浮かんだ やっぱり…その…先輩とそう言うコトしとけばよかったかもしれない……

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