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おまけ 膝枕
だって先輩とオレは付き合ってるわけだし…別にその……合意の上でそう言うことするなんて恋人として自然な流れだ……何度か経験もあるから『初めて』ってわけでもないんだしあの時してても何ら不自然なことではなかったはず…
未成年でラブホテルに入るのはちょっとどうかと思うけどオレらはお互いに家族と住んでるから家ではそう言うコトはできないわけだし…でも……………
そんなこと真面目に考える自分に自分でむっつりだなと思った
オレ…後悔しまくりじゃないか…
「…る…ける………猛?」
「……えっ、あ、はい」
名前を呼ばれてまた考え込んでしまっていたことに気付いてハッとした
顔を上げるとすぐ目の前に紺庄先輩の顔があった
むーっとした顔でオレの顔を覗き込んでいる
「………」
「……せ、せんぱい…?」
先輩は答えずにそのままゆっくりオレの顔に手を伸ばすとえいっとオレの眉間の辺りに自分の人差し指を当てた
そこをぐりぐりと押し伸ばされる
「猛ここにしわよって顔怖くなってる、そのうちここしわっしわのまま取れなくなっちゃうよ?」
「……スイマセン…」
「どうしたの?病気なの?バイトつらいの?」
「いや…そう言うわけじゃないんですけど…」
「うーん…あ!!そうだ!!ほら、膝枕してあげるよ!!おいで!!」
「………」
先輩がぽんぽんと自分の膝を叩いてからオレにむけて手を広げる
別に体調が悪いとかそう言うわけじゃないんだけどな…
……………でも……先輩の…膝枕…
欲求不満気味のオレの中でメラッと何かが揺れた
…いや…いやいや…先輩は別にそう言ういかがわしい意味で言ったんじゃなくて単にオレが疲れてそうだからってだけで…
浮かんでしまった邪な気持ちを首を振って払う
先輩は相変わらず手を広げて待っていた
……でも……先輩のご厚意なわけだし…断る理由もない…よな…?
「じゃ…じゃあ…失礼します…」
「ふふー、いいよ!!」
何となくさっきの邪な気持ちのせいで罪悪感があったけれど先輩の膝に頭を乗せた
上から先輩がオレを見下ろしている
「膝枕気持ちいいでしょー?」
「……ウス…」
「いっつも猛がしてくれるから今日はおれがしてあげるね?猛の膝もいっつも気持ちいいんだ~、あ、寝ちゃっても起こしてあげるから大丈夫だよ!!」
「……あざッス…」
先輩がぽんぽんっと満足そうにオレの頭を撫でた
なんか…照れくさいな…
先輩の膝は柔らかくて男のそれらしくなかった
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