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お酒…?

「…体温計、体温計……」 買ってきたゼリーや食べ物をまなの家の冷蔵庫に押し込み体温計を探す まなが朝リビングで測ったって言うとったから多分この辺にあるはずなんやけど……あ、あった… 普通の白い体温計と買って来たばかりのスポーツドリンクを持ってまなの部屋に戻る 「まなぁ~、まなスポドリポカリ派やったよな?」 「………」 「あ、まな寝とる」 そーっと部屋に入って猫みたいに丸まってまながねむっとるベットの横に腰を下ろした 熱に浮かされた赤い顔ですうすうと寝息を立てとる 「………」 まなのいつもより癖の強くついた髪に手を絡ませて頭を撫でる う…とまながすこし唸ってからすーっと穏やかな顔になって行った ぐりぐりと手に頭をすり寄せてくる ………かわええ… ぽふっとベットに顎を乗せてまなの顔を間近で眺めた サッカーやめてからめっきり外に出ることが減って白くなった肌に、高くも低くもない鼻とかわいらしい唇がついとる… ……かわええ… 「………」 「……!!」 そんな風に思いながらまなの頭を撫でてると突然まなの猫みたいな目がぱちっと開いてこっちを見た こんなにすぐ起きると思ってなかったので突然の事にすこしびっくりする 起こしちゃったやろか? まなはまだ眠たげに眼を擦っている 「まな起こしちゃった?」 「……んー…」 「ごめんな~、でも起きたなら熱を…」 「ぎぃんん~…」 「………」 熱を測ろうと体温計を取り出すと突然まながオレの首に腕を巻きつけてきた ふにゃふにゃと甘ったるい声を出してすりすりと首元に頬ずりしてくる こんな状態のまなに見覚えがあった 「まな…お酒飲んだ?」 「んー?おさけー?」 「ん、お酒、それかなんか食べた?」 「んーん」 「飲んでないん?」 「んー」 まなが首を縦に振ったり横に振ったりして返事をする お酒飲んどらんの?じゃあなんで… そこまで考えてオレに抱き着いたまなの体が熱いことにハッとした

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